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冬休み 4
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夏side
レッスンの時間より早かったみたいで、僕たちの後から、生徒たちが5人ほど来た。僕と同じか少し上くらいの人。
「みんな揃いましたね。それじゃ、始めましょうか」
「「お願いします」」
発声練習から始まり、演技、ダンス、歌の基本の説明…。初めて聞く僕でもわかりやすい。ただ、ちょっとだけ説明の仕方が個性的で面白かったりする。
桜も真剣に見てる楽しそうだ。おそらく先輩になり、またある時はライバルになる人たちは凄かった……。
「そのセリフ、もう少し悲しそうな表情で言ってみて」
「はいっ」
「……うん。次は、無表情に近い感じで」
同じセリフでも、言い方によって違う人のようになる。
どんな役が来てもちゃんと演じられるようにしてるんだろ僕もやってみたいな……。あんな風に演じたい…。
「ねぇ、夏くん。ここのセリフ、君ならどう演じる?」
「えっ……あ、はい。僕なら、あえて笑って言います。
辛い時それを我慢しながら薄く笑っていると、寂しいとか悲しいとか言わなくても、伝わると思います」
「なるほど、ちょっとやってみて」
「…はいっ」
急に言われて驚いたけど、アドリブとかもあるわけで、
僕も頑張って演じてみることにした。初めてだから自分の思ったようには演じことは出来ないかも知れないけれど、出来るだけのことは全部出し切りたい。
そう思って言われたセリフを全力で演じてみた。すると、しばらくシーンとしてしまってちょっと怖くなった…。
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