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卒業 2
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桜side
卒業式の前日。雪と二人で過ごした。これが一応最後になるから思い出作りだ。色々あったけど、ここまで早かったなぁ…。
僕が継ぐはずだったものは、雪が継いだ。お陰で雪の心は死にかけてたけど…。東雲さんのおかげで持ち直したし、味方も多いからな。きっと雪なら大丈夫だろう。
「夏、二人で幸せになろうね」
「急にどうしたの?もちろん幸せにする予定だよ?不安になったの?」
「…ううん。…膳は急げって言うから、プロポーズしておこうかと」
「…それ、今だった?」
「うん。今だよ。これからは二人で暮らして行くんだ。お互いの両親⁇挨拶も終わってるからね」
顔が真っ赤になってる夏。いつもキリッとしてカッコいいのに…。可愛く見えて揶揄いたくなってしまった。まぁ、今はしないけど。
雪には聞こえていたのか少し遠くで笑ってた。冬はキョトンとしていたけど…。もう学校で会えないと知って泣き出し、慰めるのには苦労した。
「僕、今幸せだ」
「僕もだよ。ありがと、生まれてきてくれて…、僕のこと好きになってくれて……ありがと…」
「ありがと、夏。……愛してる。僕のこと幸せにしてね」
「嗚呼。勿論、任せといてよ」
「ふふっ、頼もしいね」
こんな日に幸せでいいんだろうか…。何もないただ普通の一日がこんなにも幸せに感じられるのはとても幸運で、幸福だ。1日でも、1時間でも、1秒でも長く続いてくれたらそれでいい……。
これも全て雪が僕の代わりをしてくれたから…。弟には頭が上がらないな…。ありがと、雪…。
僕の自慢の弟…。
弟たちのことは絶対に僕が守るから…。
みんなで幸せになろう…。
「夏、キスして」
「うん」
ありがと、夏…。二人でずっと歩んで行こうね。この幸せを噛み締めて……。愛してる…
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