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逃亡後・ユキト
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ユキトはコンビニ弁当と睨めっこをしていた。
夕方、いくつかの衣類と共に南倉が晩御飯用に買ってきてくれたものだ。その他、部屋に備え付けの冷蔵庫にはレトルトなど保存のきく食料が入っている。
ちなみに覚え始めた自炊は怪我を考慮して禁止された。確かに安易に病院には行けない状況だ。
「食べてはみたかったけど…」
御曹司の少年はコンビニ弁当を食べたことがない。なので前々から興味はあったが、今は壊滅的に食欲がない。
――時任さん、心配してるだろうな…
まさか帰宅できなくなるとは思っていなかった。
ユキトが壁の時計を一瞥すると20時を回っており、門限は完全に過ぎている。
――明日、たぶん学校行けないから轟も…
せめて携帯があればいいのだが南倉に没収されてしまった。
ユキトの近しい人間関係をチェックするためらしいが、少年は信用されていないようで少し寂しかった。
――いや、そんなこと言ってる場合じゃないんだ
ユキトは座ったまま両膝を立てて寄せ、そこに顔を埋める。
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