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罠
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それは、ハガキではなかった。
写真だった。ユキトの視界が凍り付く。
真ん中に、倒れている男性が写っている。
肩から血を流し明らかに意識を失い。
ユキトのよく知る顔が、髪が、眼鏡が、燕尾服が。
血溜まりに浮いている。
時任、だった。
「な…、に……?」
ユキトの手と脚が同時に震える。
合成とは思えない。デジカメの類いではなく、チープなインスタントカメラで撮ってあるようだ。
だからこそ、真実味が増す。
――なにこれ…嘘だ…なん、で…時任さんが
パニックに陥る。呼吸が浅く、荒くなる。体内の機能が不安定になり心臓が大きく波打つ。
――どうして、どうし、
……どうして?
――ああ、そんなの、決まってた。
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