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対峙
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南倉が、ユキトに復讐を諭した時の目は。
『そんな軟弱で復讐とかやってけるの』
『復讐は一度始めたら引き返せないよ』
『もし途中で投げたりしたら、それはキミの大切な人も裏切る事になるから』
この、発言は。
ユキトと同様に、かつて『復讐』を決意した者にしか出来ないのではないか。
「南倉さんは多分、過去…いや、今もかもしれないけど」
ユキトは一旦、言葉を切る。目を瞑り暗闇の中で南倉を想い、続けた。
「『朝霧』を、恨んでた」
会社か父母か、それとも両方に対してか。それは定かでない。理由も。
でも何故か、自信を持ってそう言えた。ふわふわと逃げていく風船を、やっと掴めた心持ちだった。
ユキトが水族館で告白した時に浮かべた、南倉の苦しげな表情の意味も。
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