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対峙
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前述したが、御曹司が父にレイプされていた事実を知る者は極僅かだ。それこそ本人達の他には母と時任くらいしかいない。
なのに、なぜ長谷部が。
御守りの盗聴器で知ったとしても、この言い回しは変だ。前から知っていると思って間違いないだろう。
「なんで、知って」と声が裏返る少年に長谷部はクッと喉で嗤う。
「敵を知るのは基本でしょ?朝霧家のあちこちに盗聴器を潜めてありますよ。…『旦那様』の寝室にもね」
いつもユキトは父の寝室で抱かれていた。
聞かれていたのだ、ずっと。少年は羞恥に目を泳がす。
「毎回貴方は嫌がって泣いてましたねぇ。可哀想でしたよ、壁は防音だから助けを求めて叫んでも届かずに…俺以外の誰にも」
ユキトは耳を塞ぎたかった。でも拘束された腕では叶わない。
長谷部は、苦肉の策で目を閉じる少年の後ろへゆったりと回り込む。縛られているその背後に座すと、ツウと白い頬を指でなぞった。突然の感触にユキトは驚き開眼する。
「でも旦那様はそんな息子の姿に返って興奮していましたね…変態ですね。しかも嫉妬に狂った奥様に殴られて。本当に可哀想で可哀想で、」
ユキトの肌が粟立つ。ねっとりとした視線を傍に感じた。
「俺の心は、満たされました」
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