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再会
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長谷部――沙羽は南倉に付き添われて自首をした。
弟に支えられ出頭する犯人は項垂れ、でも少し安堵したようにも見えた。
ユキトは探偵のマンションで一日を過ごし、翌日に警察署へと向かった。
沙羽はユキトが失踪、つまり南倉に匿われた直後に行方知れずになっていたらしく、朝霧夫妻殺害の重要参考人として指名手配されて――電器屋のテレビで途中までしか報道を観なかった少年は聞きそびれた――いた。
当然ユキトも捜査対象となっていたが、中学生な上に夫妻殺害前の失踪なため家出人との見方が強く少年もそれに乗っかった。下手すれば南倉が罪に問われるし、探偵と知り合いである理由を上手く言ってのける自信は無かった。
清掃も月イチでしか入らない山間の朝霧家の別荘にいた、とユキトは証言した。両親が殺されたのをネットで知り驚いて帰ってきたと加えれば疑う者は居らず、警察からは家出の注意と肉親を殺害された同情を受けただけで済んだ。
そして、約三週間後。
留置所に面会人が来た旨を受け、面会室に入った沙羽は目を丸くした。
ガラスの向こう側には、恨んだ男女の一人息子が座っていた。沙羽に気付くと立ち上がり礼儀正しく会釈する。
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