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再会
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常に傍にいてくれた祖父母、特に祖父を亡くした南倉のショックは大きかった。PTSD再発には至らなかったものの、内面の穴は更に深く抉られた。
本当の家族よりも親戚を取ったのか、と沙羽に不当な怒りを抱いた事もある。人間不信になった事もある。
その度に自己嫌悪に陥って、朝霧を憎悪した。この職を選んだのも半ば復讐の為だった。
しかし、兄と異なり思い止まったのは。
朝霧家を調べる内に知った、ユキトの存在だった。
家族を失うのは本当に辛い。洒落にならない。心身共に、それこそ一生消えない痛みだ。
それをまだ、年端も行かない少年に味わわせるのは。
南倉には、どうしても無理だった。
「お、れ…?」
たっぷり呆けた当人は、数秒後赤くなったり目を潤ませたりと忙しなくなった。ようやく意味を飲み込んだらしい。充分なリアクションが拝めた南倉はクスッとする。
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