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番外編Ⅰ
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【概要】
ユキトと時任。
時任視点です。時系列としては本編の直後です。
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あれはもう何年前になるでしょうか。
人生の中で最もショッキングで、そして葛藤した夜でした。
これは、私の懺悔です。
「坊っちゃん!」
控えめなノックの後、覗かせたその顔に上体を起こそうとする。
すると「寝てて下さい」とユキト坊っちゃんは慌てて止めに入った。お見舞いに持って来てくれたのであろう綺麗な花がカサリと音を立てる。
大丈夫ですよ、と笑おうとした所でドアに立つもう一人の姿に気付いた。会釈を私も会釈で返す。
「俺は外で待ってるから」
「あ、はい」
坊っちゃんに声を掛け、その人は病室の扉の向こうへ消える。
私立探偵の南倉さん。
私を拳銃で撃ち、旦那様と奥様を殺害した犯人――未だに信じられないが運転手の長谷部さん。犯行時は覆面をしていて分からなかった――の実の弟だそうだ。
言われてみれば、目がよく似ている。髪の色には少々驚いたが、どうやらクォーターらしい。
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