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美術部
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次の日は、部活の体験があった
面接みたいなものをして、
白い紙に絵を描いて自己紹介をした。
「夏希くん、絵上手だね〜。僕なんてボロボロだよ…」
「そぉ〜?俺は、波瑠の絵好きだなぁ〜」
「本当?ありがと!」
夏希くんの絵は、
短時間で描いたとは思えないほど
精密で、細かいところまで描かれていた。
凄く綺麗で、繊細な絵は
僕の心に深く残った。
本入部が済み、本格的に部活動が始まった。
油絵を初めて描いたときは
苦戦しながらも、とても楽しかった。
「やっぱ。波瑠の迷いのない絵、好きだなぁ」
夏希くんはいつも褒めてくれた。
認められたような気がして、僕は嬉しかったんだ。
美術部のみんなは、夏希くんの繊細で精密な絵に
心底、惚れ込んでいた。
クラスでも人気な夏希くんは
いつも、輪の中心にいて僕は近づけなかった。
「波瑠〜!帰ろ〜」
「うん!」
部活終わりや、部活のない日はいつも
一緒に帰ろうと誘ってくれた。
僕は、その優しさに甘えていた。
夏希くんも、
深く傷を負っていることに気づかないまま…
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