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友達の定義
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再テストは無事に通過。
また今日から、部活に戻ることが出来る
「おかえりっ!波瑠、よく頑張ったね!」
「ただいま…。夏希くん、ありがと」
久しぶりの部活は楽しいものになるはずだった
僕は、まず始めに先生に
文化祭の作品の下書きを提出しなければならなかった。
「先生お願いします」
「うん。私じゃ、君の感性がわからないから。勝手にやって。もう、提出しなくていいから」
「あ、はい」
期待されてないのが、目に見えて分かった。
例え感性が合わなくても、みんな書き直しになっていた
僕は、何を間違えたのだろう…。
「先生、酷いよね。俺はいい思うよ!」
「ありがと…」
裏切られた時の事が、フラッシュバックする。
夏希くんの言葉ですら、信用出来なかった。
そんな僕に吐き気を覚える。
僕は先生に認めてもらいたくて、
必死になって短く限られた時間の中で絵を完成させた。
「綺麗…」
「夏希くんには、程遠いよ。夏希くんの絵、
凄く綺麗…。好きだなぁ〜」
「ありがとっ!」
凄いと認めながら、嫉妬してしまう。
どうして、僕には何の才能も無いんだろう
せめて一つぐらいあってもいいのに…
夏希くんは、絵を見ながら
悲しそうに顔を一瞬だけ見せた。
「夏希くん…?」
「ん?どうしたの?」
「何かあるなら、話聞くからね」
「……うん」
何故か分からないが、その表情に胸が痛んだ。
そして、僕の中の "友達" についての考えが
はっきりと変化した瞬間だった。僕の中で友達は、
"便利な道具"
"使えるだけ使って捨てるだけ"
そんな存在だった。
夏希くんに会ってからは、酷い考えだったと
思うぐらいに成長していたようだ。
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