アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
勇気
-
扉を目の前にして今更緊張してくる。
大丈夫 大丈夫
よし。覚悟を決めて扉を開いた─────
「こんにちは、いらっしゃいませ」
と、優しそうな女の人が挨拶をしてくる。
「こんにちは」
「今日はどのようなご要件でしょうか?」
「あの、一週間ほど前にこの施設の前に止まったトラックとそこから出てきた少年を見かけまして。その子を引き取りたいなと思い伺いました」
「あ、分かりました。少々お待ちください」
そう言うと何処かへ電話をかけている。
5分くらい椅子に座って待っていると声をかけられた。
「あの、その子の特徴とか分かりますか?」
「髪の毛が薄い水色でした。あと、よく転んでましたね」
「分かりました」
そう言って手に持ったメモ帳らしきものに何かをメモする。
「ご案内するのでどうぞ。」
そう言われ、後ろをついていく。
「あの、大変申し上げずらいのですが、ただいま気を失っていまして。今日は確認だけ。という形でも宜しいでしょうか?」
気を失ってる…?
「はい、構いませんが。大丈夫なんですか?」
「あ、1時間もすれば目は覚ますので大丈夫ですよ」
「待ってたら…迷惑ですかね?」
「いえ、こちらは構いませんが。あの子の方がどうでしょう」
なんせ小心者でして。と小さく笑う。
待っているか迷ったが、許可も得られたし少し話すくらいなら大丈夫だろう。
今日は少し顔を覚えてもらって手続きは後日。という形でもいいかもしれない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 535