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「う、…っ……」
部屋の隅へ移動するとこれでもかって言うくらいに壁に体を押し付けて、震えている
「びっくりさせちゃってごめんね」
そう言って、安心してもらおうと少し笑った。
でも、少年の震えは収まらない。
あそこだと冷えそうだし、左足も痛そうなので、とりあえずベッドに移動して今日のところは帰ろう。
「そんなに怖がらないで?痛いことは絶対しないよ」
そう言って少年に近づく。
「あ…あ、こな…で」
震えは大きくなり、目を瞑って両手で頭を隠している。
「怖くない 怖くない」
そう言って少年の前にしゃがむ。
突然触ったらびっくりしちゃうもんね。
「目、開けられる?」
できる限り優しく、笑顔で言う。
怖がっている人に対して攻撃的な言葉だったり、急かすような言葉、真顔や怒っている顔を向けてしまうのは絶対にダメだと心理科の友達に聞いたことがある。
それから何を言うわけでもなく優しく少年を見守った
すると、少ししてからおずおずと目を開けてくれた
「ぅ、…ふぇ?」
涙で目が真っ赤になっていて申し訳ないことしたかなと今更ながらに思う。
いきなり、ベッドに戻すために抱っこしてもいいか。と聞くのも単刀直入すぎると思い別の話をする。
「目、開けてくれてありがとう。嬉しいよ、怖くない?大丈夫?」
そう聞くと震えながらも俺の目をちらっと見て、その薄い水色の小さな頭をこく。と、縦にふった。
「ありがとな」
そうだ、もうひとつ聞いておきたいことがある。
「さっき、名刺貰ったんだ。なんて読むの?」
少年の近くに名刺を置く
「…っ」
何かを言いかけたが口を閉じ頭を横にふる。
「なんて読むのー?なりみや…すい?みどり?」
「…み、みどり……ちがう、よ」
名刺の『翠』の部分を小さく指をさして違うよ。と、教えてくれた。
「じゃあ、すい?」
こくこく。と、頷いた。
「すい、って言うんだね。かわい」
すると翠は少し顔を赤くして首をゆるくふった。
今までずっと震えてたくせに可愛いと言った瞬間に赤くなるなんて…
なんだ、この反応…かわいい。
「翠、今日からよろしくね」
そう言って微笑めばまた、目をそらして震える。
相手は男だっていうのに可愛いな。なんて思ってしまった。
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