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会話
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目の前の人の顔が施設長さんやご主人様と重なる
ただ、怖くて怖くて早くいなくなって欲しかった
なのに、どんどん近づいてきてどうしていいか分からなくなる
離れたいのにもう壁に当たってしまいこれ以上離れられない
殴られる 蹴られる 怒鳴られる
いつ始まるかわからない恐怖に体を固くして耐えた
でも、いつまでたってもその衝撃はこなくて代わりに優しい声が聞こえてきた。
「怖くない 怖くない」
って、おまじないみたいな声が聞こえてくる
その声はずっと怖くないよーって言ってくれていて。
この人は本当に怖くない人なのかもしれない
今までもいた。俺が泣いても、ご飯を吐いても、夜寝れなくても、怒らなかった人。
ずっと昔のお母さんのことを思い出す
「目、開けられる?」
不意にそんな声が聞こえた
正直、開けたくなかった。目を開けた瞬間殴られると思ったから
でも、この人は今までの人とは違った
さっきから泣いちゃってるけど怒らないし、足のことも怒るんじゃなくて心配してくれているような言葉もかけてくれた。
殴られてもいい。
この人の顔を覚えておきたい そう思って目を開けた。
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