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引き取る
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あまりの理不尽さにイライラしながらも取り乱してはダメだと深呼吸をした
「ま、説明はこんなところだ。捨てるなら変なとこに捨てないでここに持ってこいよ。めんどくさいから」
捨てるわけない。
説明が終わるとスタスタと部屋を出ていこうとする。
「あ、あの もう連れて帰って大丈夫なんですか?」
「あぁ、早く連れてけ」
そう言い残すと部屋を出ていった。
翠はさっきまで抱きしめていた事で落ち着いているのか大人しくしている。
「翠、今日から俺と一緒に暮らそうな」
「遊と、暮らす?…ご主人様……?」
「いや、ご主人様なんてものじゃないよ。一緒に暮らすだけ」
「一緒… 遊と、いっしょ…?」
「そう。いいか?」
そう聞くと何かをしばらく考えた後ハッとしてうんうん。と、頷いてくれた。
「よろしく、お願い…します」
「こちらこそ」
そう言って翠を抱き上げた。
とても軽くて心配が募る。
抱っこしたまま道を進み、外にでた。
「翠、今からお家帰るのと、お友達作るのどっちがいい?」
「ぇ…俺、選ぶの?」
「そ。どっちでもいいよ?」
「……どっちが、いい?」
迷っている翠にあまり問い詰めるのも可哀想だと思い俺が決めることにした
「じゃあ、今日はゆっくりしようか?」
うんうん。と頭を必死にふっている。
翠の了承も得たので、家に向かう。
徒歩20分位なのでいつも散歩気分で歩いてきていたが今日も歩いてきてしまい、翠に申し訳ない気持ちになる。
「遊、…おりる、いい?」
案の定抱っこされているのが恥ずかしい様で降りたがっている。
「歩きたい?」
「…うん」
「じゃあ、手繋いでていい?」
翠は多分、上手に歩けないので手を繋いでいないとすぐに転んでしまうだろう。
本当は抱っこして家まで連れていってやりたい
でも、歩きたい。と本人が言っているのでそれを否定はできない
しばらく手を繋いで歩いていると手に掛かる負担が大きくなってきた。息切れも聞こえるしたまに呻くような声も聞こえる。
辛いはずなのに翠は何も言ってこない。
たまたま、近くに公園があったのでそこに休憩することにした。
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