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過去
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手を握ってやると小さく握り返してきて、柚を見るとクスッと可愛く笑った。
「翠くん、どんな子なんでしょう。俺、突然話しかけたら、怖いですかね?」
「その辺は、柚が一番わかってやれるんじゃない?だから遊も柚に相談しに来たんだろ」
「俺、確に、その…虐待?……受けてたけど、だからって…理解してあげられるか、分からないですし…」
困った表情をして俯く。
わざと虐待を濁したのも柚は親にされてきたことを虐待と認めていないから。
でも、警察や病院からは虐待として取り扱われたので認めざるを得ない感じになっている
俺からしても柚が受けてきたのは虐待そのものだった。
蹴られ、怒鳴られ、ご飯も貰えず、夜は両親に犯されていた。
父親には乱暴に意識が飛ぶまでやられ、母親には自身を入れるように強要されていた。柚はどうしてもそれが嫌だった。
あんなに痛いものを、いくら毎日暴力を受けていたからといって自分から痛いことをするのだけは嫌だった
なのに、母親は入れろと言うし父親も早くしろと怒るしで柚は毎日泣きながら入れていたという。
だから未だに柚はベッドに行くこと自体を嫌うし、怒鳴り声も苦手だ。
でも、柚がいつも明るくいられるのは人が好きだから。
確かに、トラウマで怖い。が大きくなってしまうこともあるが『人』という存在自体が好きなのだ。
だから精神科医を目指した。
悩んでいる人は自分が寄り添って助けてあげたいって。
そして、自分の気持ちは見て見ぬふりをした。
結果、自傷行為で入院にまで至った。
それでも周りを気にして自分から目をそらしてばかりだから、俺が柚に向き合ってみた。
最初は凄い怖がりようで過去を思い出すことすらまともに出来なかった。
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