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「元気そうだなぁおい」
低く唸ってみると、ははっと朗らかに笑われた。
すがりつくようにシャツを握っていた手が離れてゆく。
振り向くと、やはり悠馬は笑っていた。
「で、優斗さんのことをどんな風に想像しながら毎日オナニーしてんだ?」
おい。てめぇ。
突然何を言い出すのかと、一歩後退ってしまった。
すると、離れた分だけ一歩、近寄ってくる。
「優斗さんに入れたいのか? それとも入れられたいのか?」
何をだ。
「顔が真っ赤なんですけど。お前、童貞だもんなぁ」
頬を指でつつくな。
ばしりとそれを払い落とす。
「経験がないだけだ! 知識はあるっ!」
どうだ、と胸を貼ってみるのだが……おい。腹を抱えて笑い出すんじゃあねぇよ。
「男同士の知識が何であるんだよ。やっぱ調べたのかっ……想像するだけで笑えるだろっ」
ひくひくと唇を痙攣させるくらいならばそのまま笑い転げとけ。
また一歩下がる。今度は追われなかった。
「調べてねぇよ。女と同じようなもんだろ? 入れる穴が違うだけで――」
「阿呆か。女は良くても痛くても勝手に濡れるけど、男は濡れないんだぞ? 全然違うわ」
言葉を遮られ、首を傾げてしまう。
「そ、そうなのか?」
悠馬が胸の前で腕を組んだ。偉そうにすんな。
「例えばだなぁ。俺がお前を抱くとして」
どうしてそんな例えになるんだ。
「まずはやっぱり相手を興奮させないといかんだろ。緊張を解してやらんと」
おお、まぁな。
「俺なら首筋からキスを降らせていくなぁ。ついでに耳裏とかを掠めるように舐めてさ」
って、じっと目を見つめてくるな。妙に恥ずかしくなるだろうが。
「で、そのまま舌を這わせた状態で乳首に移動する」
……想像しちゃうだろ。やめろ。
「乳輪を指でなぞりながら、乳首の先に舌をぐりっと押し付けて。あえて刺激しないようにすっとまた舌を引くんだ」
それ、酷いな。ちゃんと刺激してやれよ。焦らされる身にもなってみろ。
「何度もそれやって。お前の腰が揺れてきたらやっと、唇を使ってそこに吸い付く」
――声が、いつもよりも低いから……そのせいだ。そうに違いない。
下半身に僅かな熱を感じるなんて。
悠馬は目を逸らさぬまま、唇をゆっくりと開いてゆく。
「じゅっ、じゅっとわざと音を立てながら、お前の顔を下から覗き込んで――おやぁ? 海斗君、耳まで真っ赤ですけども?」
ぐぅぅ黙れマジで。
怒鳴りたいが、喉が、きゅっと細くなってしまって声が出せない。
手を伸ばしたら触れられる。そのくらいの距離。
決して至近距離ではない。けれど遠くもない。
だから、息を吸う音が微かに、聞こえてくる。
「肋骨を指でなぞってさぁ。臍の辺りを爪で優しく引っ?きつつ、陰毛をわさわさと指で撫でると……きっと勃起してるだろうなぁ」
足の付け根にきゅっと力が入ってしまった。
悠馬の、目尻がほんのり吊り上がっている綺麗な二重目蓋。先にある睫毛が……声を発するたびに、揺れて。
頬を撫でてくる風。指でそっと触れられているように錯覚をしてしまう。
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