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「本当に? じゃあやっぱ、節操がないのか」
「ぐぅっ。悠馬、てめぇがエロい事ばっか言ってたせいだろ!」
って、痛いっ。引っ張る力を強めるなっ!
「エロイと感じたんだ? ふぅん。俺とお前の例えだったのに、気持ちが悪いとか思わなかった?」
「優斗に肉欲を感じている時点で、男同士とかそんなもんは頭から吹っ飛んでるんだよっ!」
両手をばっ、と素早く上げ、悠馬の絡み付いてきていた両腕を吹っ飛ばす。
おい。首を傾げてくるな。自分でも何を言っているのかよくわかんねぇよ、もう!
「あれ? じゃあお前、ゲイになるのか? 女に肉欲は感じないの?」
そんな馬鹿な。
「感じるけども。グラビア見ると興奮するし」
「あ、グラビア見ただけで興奮しちゃう童貞君にさっきのエロ話は刺激が強すぎた、ということか」
だぁぁぁぁぁってめぇっ!
思い切り地団駄を踏み、顔をぐっしゃぐしゃに顰めて下から睨みつける。
おい、何だその貼り付けたような笑みは。人の良さそうな顔をすんな。
「桜。花弁拾って優斗さんへ土産にでもしたら?」
地面を指される。
鼻で笑ってやるわ。
「いい。近いうちに花見行くから」
「お、湊と航も誘おうぜ」
阿呆なことを言うな。
「兄貴と二人っきりで行くに決まってんだろっ!」
と、叫んだその時……どこかから視線が突き刺さってきているような気が――
「名前を出せば何とやらだな」
悠馬の声に少々慌てる。聞かれてないといいけれど。
「おーい。お前らそんなとこで何やってんだー?」
いつもの可愛らしい響きにほっと胸を撫で下ろしながら、声の聞こえてきた方へ目を向ける。
湊が手を振ってきた。手を振り返す。
おい、隣にいる航までそんな、振り子のようにぶんぶんと腕を動かすな。通行人がびびってるだろ。せめて顔に表情を出してからにしろ。
「花見してたんだわ。二人もこっち来いよ!」
いきなり近くで大声を出されると鼓膜がびりびりいうだろうが。やめろ。
それでもってどうしてお前はその胡散臭い笑顔を消さないん、だ……?
「勃起してるとこ、二人にも見せてやれよな」
弾んだ声で言われる。ぐぅぅぅっあぁぁぁぁぁマジでもうこいつ本気で糞ぉぉぉぉっ!
「急用があったこと忘れてた! お前らまた明日なっ!」
誤魔化すように叫び、膝に力を入れて腕を振り上げ全力ダッシュをする。
「海斗ぉー待てよぉー」
背後から聞こえてくる湊の、甘えたような声。すまん。本当に今は待てないっ!
「急ぐな! 事故にあうぞ!」
航、すまん。俺の股間が火事になっているようなもんなんだ。急がせろっ!
そんでもって悠馬ぁぁぁぁっっ!
「まった明日っ!」
てめぇのその弾んだ声がまた癪に障るあぁぁぁぁマジでほんと、明日会った瞬間に殴ってやるから覚悟しとけ!
チィーと鳴く鳥の声。視界を邪魔する白い桜。
息が上がるたびに、窮屈なズボンの中身が布に擦れて――喉の奥から、唸り声が飛び出した。
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