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再会。
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そして現在。
「離せよ…ッ!」
「ッ…ってぇな!!!何すんだよッ!!!」
「は?それはこっちの台詞だろ。勝手にいちゃもんつけて来やがって、どういうつもりだよ。」
「ンだとコラッ!!!」
──うわぁ…まじかぁ~…。
はぁ。と思わず溜め息が出た。
担当作家との打ち合わせ帰り。
雲行きの怪しさから干しっぱなしの洗濯物が気になり、いつもとは違う道を通ることにした。
人通りの少ないそこは普段なら絶対に通らないのだが、濡れるのが嫌だからと気紛れで近道をしたのがいけなかった。
目の前で繰り広げられる掴み合いを見て頭を抱える。
触らぬ神に祟りなし。
うん、やっぱり引き返そう、そう思い踵を返しかけたが、ふと、恐らく絡まれた側の人物に目が止まった。
(なんか…見たことある様な…?)
夜道の暗がりの中 疲れで霞む目を凝らしたその時。
「調子乗ってんじゃねぇぞッ!!!」
バキィッ!!!
殴られた拍子にその人物のフードが落ち、顔が月明かりで照らされた。
彼はくるくると癖のある赤毛をポンパドールにし、猫のような少しつり目がちな瞳をキッと殴った相手に向けている。
………あっ!コンビニ君だ!!
これはしまった。一度は会話をした仲だと気付いてしまえば関わらないわけにはいかない。
助けなければ。しかしそうは言っても、俺に喧嘩なんてものは出来ないしやりたくも無い。
よし、ならば喧嘩に持っていかなければ良い。
「お巡りさん、こっちです!!早く!!!」
そう言って俺は向こうにも聞こえるように力一杯叫んだ。
すると尚も殴ろうと少年に掴み掛かっていた男は、舌打ちをして一目散に逃げていった。
突然手を離されてよろけた少年に慌てて駆け寄り、支えてやりつつ声を掛ける。
「大丈夫かい?」
「っ…はい、あざっす…」
「よかった…」
口元に滲んだ血以外に目立った怪我はなさそうでほっ…と胸を撫で下ろす。
その口元もすぐに冷やせば大丈夫そうだ。
「あれ?お兄さん、この前の…」
血を拭いながら見上げた彼の視線と目が合うと、黄味がかったアーモンド型の瞳が大きく見開かれた。
「久しぶり。もーびっくりしたよ、近道しようとしたらコンビニ店員くんが殴られてるんだもん。」
「俺も近道してたら絡まれちゃって…あのお巡りさんは?」
「ん?あぁ。あれは嘘なんだ、俺じゃあ殴り合いに勝てそうも無いしね。」
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