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守る side椿輝
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そこに立っているやつはいつからいたのだろう。
もしかしたら、最初から……?
だとしたらヤバい。
今まで築き上げてきたもの全て無駄になってしまう。
俺はこいつを知らない。
じゃあこいつも俺を知らないだろうか。
いや、だるいとかめんどいとか聞かれていたとしてもこの際それはどうでもいい。
そのくらい誰だって思うことだから。
そこじゃない。
教師に痛い目見せるとかそういうのはまずい。
俺の苦労が無駄になる。
こいつを消すか…………?
沙「どうしたの?」
椿「?なっ、なにが?」
沙「ずっと止まってるからなにかあったのかなぁ?って」
椿「いや、別に。それよりいつからそこに?」
沙「?さっきからだよ?」
椿「……」
沙「ここの学校広いから迷ったの」
聞いてなかったってこと、なのか?
沙「資料?大変だね」
椿「いや、大丈夫だよ?」
沙「そっか〜………」
椿「えーっと?」
沙「疲れないの?」
椿「いや、仕事だから」
沙「ううん、違うよ?」
椿「えっと、ん?」
沙「ずっとにこにこしてるの僕は疲れちゃうから」
椿「……」
沙「疲れちゃってる時は無理してにこにこしなくていいんだよ?」
椿「……あ、うん」
沙「あとね〜、下駄箱ってどこ?」
椿「……は?」
沙「下駄箱!行けなくなっちゃったの」
椿「そこの廊下右行って階段降りてすぐ見えるよ?」
沙「ありがとう」
椿「ううん、気をつけて帰ってね」
沙「うん!あ、これどうぞ!」
なにかを握らされる。
よく見ると個包装のチョコだった。
椿「これは…?」
沙「お礼!あとね、疲れちゃってる時は甘いものだよ!けどね、本当に疲れちゃったらちゃんと言うの。誰かに辛いよって伝えないと自分ひとりで我慢してたら大変だから。我慢してたらダメだからね?じゃあね!!教えてくれてありがとう」
椿「あ、うん」
手の中にあるチョコを見つめる。
誰かに助けてもらえなんて初めて言われた。
全部自分で背負って、全部自分でやらないといけないのだと思っていた。
何かが軽くなった気がした。
俺と沙桜の出会いは沙桜にとって何でもないような忘れるような出来事でも俺は救われたんだ。
だから俺が沙桜を守る。
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