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高校生になりました 11
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「ほら着いたぞ。呼んだら入ってこい」
「っ…はい」
緊張する…
先生はパフっと頭をひと撫でしてから教室に入って行ってしまう。
その瞬間、男子校とは思えない甲高い声が上がった。
『キャアーーー!』
『今日もカッコイイです!!』
『抱いてください榊先生!』
『ホストー!』
ビックリしたものそうだけど、耳が痛い…
何だか怖くなってしまった逃げ腰になる。
いっそのこと、このまま逃げてしまうという選択肢もあるのでは…?
"呼んだら入ってこい"と言われた。
だから、その前に、もしくは聞こえないふりをすれば怒られないのではっ!?
「玲依、入ってこい」
「ふひゃっ!」
思いついた直後に呼ばれてしまい変な声が出てしまう。
…………。
聞こえなかったことにしましょう!
でも…それだと恭弥先生に迷惑がかかってしまう?
それは嫌だ…
「はぅ…」
どうしたらいいのでしょうか…?
暫く悩んだ後、恭弥先生を困らせたくなくて、そっと教室の扉から顔を覗かせた。
そっと開けたつもりが、ガラッとドアが鳴ってしまい、一斉に教室中の視線が集まった。
「ひぃっ!」
怖くて動けなくなったところに、恭弥先生の声が掛かる。
「そんなところにいないで入ってこい玲依」
(ちっちゃい!)
(前髪で顔がよくみえなーい)
(小動物みたい!)
ちらほらと声が上がっているが緊張している玲依には届かない。
怖くて目が潤む。
こんなに大勢の視線を浴びることは初めてでパニック状態だ。
「ほらこっち来い」
優しくそう言いながら抱き上げてくれる先生の胸板に顔を埋める。
兎に角今は、大勢の視線からとにかく逃れたかったのだ。
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