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初めての食堂です 2
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耳も大分治ってきた頃、この食堂についての説明を聞いていた。
「この食堂は、パネルで注文するの。ここの溝にカードをスライドさせて、メニューを選ぶ。お金はシステムが自動で管理、記録、支払いをやってくれるんだ」
「実際にはこうやって…あとは、ウェイターさんが料理を運んできれくれるよ」
「分かりました。ありがとうございます」
「そして!ここでは多くの萌えイベントを提供してくれる!きっと玲依の料理が運ばれてくる頃に!!あぁ早く見たい早く!」
捲し立てるように言う優雨さんの言葉が聞き取れずに首を傾げる。
「……玲依もやってみて。優雨のことは気にしなくていいから」
凜さんはパネルを僕に渡した。
「僕まだカード持ってないです」
そういえば、カードを誰からも貰っていない事に気付く。
カードなんて初耳ですよ春輝さん…
「じゃあ、僕の使いなよ」
「お気持ちは嬉しいのですが、僕まだお腹いっぱいなので大丈夫です」
「っお腹が減ってないだとぉ!!」
「優雨は黙ってて。でも、何かお腹に入れないと午後までもたないよ?」
「ここのオムライス美味しいぜ!」
「…お腹いっぱいです」
朝ご飯を無理やり詰め込んだせいでまだお腹が空いていない。
ここに来てから食事を摂らなくても怒られないと思ったのに…
ぷいっと顔を背けては頬を膨らませる。
「「っ可愛いけど許しません!」」
ぷにっと頬を突かれる。
「ちゃんと食べないとダメだよ玲依」
「そうだぞ!しっかりここで食わなきゃイベが始まらないじゃないか!?
そんな方法で王道の道から外れるのかコノヤロー!
俺に萌えをプリーズ!」
「…余計なこと言うな馬鹿。そろそろ黙れ」
…食べることは大事だってわかっている
でも食べたくないものは食べたくないのだ。
「…嫌です」
俯きながらそう言えば、
「…ケーキとかフルーツあるよ?」
その言葉に顔をふいっと上げる。
「っ食べたい…です!」
甘いものとかはお腹に入ります!
甘いもの大好きです!!
「凜ナイス!色んな意味で!!」
「…色んな意味って何さ。何も食べないよりかはいいでしょ?」
「お金は後ほどお返ししますので今はお借りしますね」
「別に返さなくてもいいんだけど…玲依の気が済むようにして」
「っはい!」
甘いものに釣られ、パネルを受け取る。
かなり悩んだ結果、フルーツ盛り(小)を注文した。
3人でお喋りしていれば、
「お待たせいたしました。天月様、夏川様、櫻野様」
カッコいいウェイターさんが料理の載ったワゴンを押して来た。
僕たちの前にそれぞれ料理を順に置いてくれる。
「ありがとうございます」
「っ!いえ…このようなことを言っていただけたのは初めてです…」
「うっはぁ!!ウェイターさんにフラグを立てるとは流石!生でそれを見れるなんて!」
「では、ごゆっくりどうぞ」
ウェイターさんは綺麗に一礼して戻っていった。
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