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生徒会執行部
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「せんぱーい」
俺は高嶺 紫苑(たかみね しおん)。高校3年生になったばかりの生徒会執行部部長だ。
そして、俺を「先輩」と呼ぶのは今年執行部に入ってきた苑旧 高秋(そのもと たかあき)。
先程まで俺は居眠りをしていたらしい。そこを苑旧に起こされたらしい。いまいち記憶がない。
「先輩が居眠りなんて、めずらしーですねー」
執行部の副部長である3年の望月 剛(もちづき ごう)の話をダルそうに聞きながら苑旧は言った。
「ああ、ちょっと最近寝不足でな」
苑旧は、ふーん、と興味なさそうに返事をする。
「あ、そーだ、ぶちょーは…」
部長は、と言いかけた時、剛に見つかったらしく怒鳴り声を飛ばされた。
「おい、苑旧!私語を慎め!高嶺ものっかってんじゃない!」
剛は規律に厳い。いつでもルール厳守だ。俺なんかより部長に向いている気がする…
「あー…ふくぶちょー、ぼくの独り言だから気にすんなってー、禿げるよー?」
少し驚いた。苑旧はいつも誰かのために被害を被るタイプじゃないのに俺を庇ってくれたのか、と。
まあ余計な事は考えない。感心、感心。
「禿げるは余計だ!」
苑旧は剛とは対照的で、いつでもフリーダムだ。2人を足して2で割ると丁度いい気がする。
だが、こう見えて案外仲は悪くない。生徒会執行部は、今日も賑やかで楽しそうだ。
あと卒業まで1年もない。精一杯、楽しんでやろうじゃねえか!
このメンバーなら、悔いなく終えることができる。そう心のどこかで思っていた。
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