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帰り道
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「はあー、やっと終わったあー」
苑旧は赤くなった空にぶつける様に叫んだ。俺とは比べ物にならないくらい苑旧の身長は高い。
今にも空に届きそうだ。
俺と苑旧は帰る方向が同じだからたまに一緒に帰っている。
「苑旧、お前身長いくつだ」
「あー、ぼくー?んー、183くらいですかねー」
「高いなあ」
自嘲気味に笑って見せた。
先輩はちっちゃいよねー、など俺の耳には入らないような事を言う苑旧を蹴りながら歩いていた。
「そういえばお前…」
「あ、高秋でいいですよ。ぼく、苗字で呼ばれるの苦手で…」
おずおずと苦笑いを浮かべながら申し訳なさそうに言う。
「そうか、悪かったな、高秋」
苑旧改め、高秋は一瞬満面の笑みを顔に作った。
何がそんなに嬉しいんだか俺には分からん。
そこで、今まで忘れかけていた事を思い出した
「高秋、執行部で何か言いかけてたよな」
ああ、と高秋も思い出したように空を見上げた。
「いやあ、下らないことですけど」
下らないことですけど。
「先輩、彼女とかいるのかなーって思いまして」
話が急だと思いながらも、いないよ、という無難な返事をしてみた。
「へえ」
期待外れだったのか空返事が返ってきた。
「じゃあ俺こっちだから」
「はい、また明日」
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