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優しいキス
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「いつもすみません。
真人さん反対方向なのに…」
「いーのいーの、悠の為だし。
1人でいさせたら誰かに盗られちゃう」
乾いた笑顔で笑う。
思ってもないこと無理に言わなくてもいいのに。
俺なんかの為とか言わなくていいのに。
それは真人さんの優しさなのだろう。
ピロンッ
真人さんのスマホが音を立てる。
…あぁ、女の子か。
真人さんはスマホを見つめた後、
「わり、用事出来たから帰るな」
ほら、
やっぱりそーじゃん。
やば、泣きそう。
「はい、じゃあまたあし…んッ」
唇を塞がれた。
クチッぐちゅ、……ヂュッ
静かなマンションの扉の前で
イヤラシイ音だけが響く。
後頭部を大きな手で抑えられ、腰に回された腕も引き寄せられる。
立ってらんな…い。
二人の間に銀色の糸ができる。
目の前の真人さんは嬉しそうで。
「あー、可愛い。お前ほんとに可愛い。
お前だけはずっと俺といてな?
愛してる。」
そう言ってじゃあなとエレベーターで帰ってゆく。
手を振ったあと急いで家に入りその場で泣き崩れた。
俺を可愛いというなら
俺を愛してると言うなら
俺だけを見てよ、真人さん。
「…ずっ、ひっく…真人さん…
好き…ッ」
届くはずもないのに。
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