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嫉妬
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人通りの少ない裏庭に来た。
ここは先生も生徒も滅多に来ないし、
校舎からは死角になっていて
静かに話したい時にはぴったりだと思う。
「…」
「…」
ここにずっと来るまで真人さん無言…。
教室ではニコニコしてたのに…。
って。これ別れ話?
どうしよう…心の準備とか出来てない…
1人であたふたしてると後ろから抱きしめられた。
え?
「あ、の…真人さん?」
表情が見えないので怖い。
こんな状態で別れ話とか表情隠せない…
するとずっと黙っていた真人さんが口を開いた。
「翔ってだれ?悠のなに?」
「…へ?」
なんで翔?へ?
状況が理解できないよ?
「へ?じゃなくてあいつだれ?」
「えと、幼馴染みです」
「…ふーん」
なに?どうしたんだろ?
「あの、翔がなにか?」
「あいつ、悠の髪触ってた撫でてた」
んん?
「それがなにか…?」
「なにかじゃねえよ、何勝手に触らせてんの?」
なんで…真人さん怒ってるの…?
怖い…嫌われたくない。
「えと、ごめ、なさっ…い」
泣くつもりは無かったのに目からボロボロと涙が零れる。
「っえ?悠泣いてる?
ごめんごめん泣くな!
俺が勝手に嫉妬しただけだから!」
慌てて俺の涙を拭い、頭を撫でてくれる。
しっ…と?なんで?
「なんで…しっとなんか?」
「だって…あいつに撫でてもらってるお前、
なんかかわいかったし…
あんな顔俺には見せてくれないじゃん」
顔をぷーっと膨らませ俺の胸元に頭をぐりぐり擦り付けてくる真人さん。
どうしよ、嬉しい…かも。
真人さんかわいい。
「ふふ」
自然と笑みが零れる。
「何笑ってんの…」
「だって、真人さんかわいいから。
俺に嫉妬なんてしなくても大丈夫ですよ。
誰も俺の事なんて手ぇ出しませんから。」
俺は笑ってそう言う。
はぁぁぁぁぁ…と真人さんのため息が聞こえたけど
「ぜんぜんわかってねぇ…」
と可愛くいじけるだけだった。
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