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「んーっ。あ?」
パチリと開いた目が、カーテンの向こうの明るさを捉えた。
「うっわぁ!またやっちゃった?」
ガバッと飛び起きたそこに、火宮の姿はない。
「いやでも、昨日のは火宮さんだって悪い…」
あんな、お仕置きとかっ。ローターとか。
サドで意地悪で…あんなっ、あんな…。
昨夜の出来事を思い出したら、カァッと頬が熱くなった。
ついでに、朦朧とした意識の中で、半ば脅迫まがいに交わされた約束を思い出す。
自分で触るな、か…。
「ほんと、どS!」
約束させられちゃったから、従うしかないけど。
「俺はMじゃないんだからな…」
この調子で、身体、保つかな…。
加虐趣味だと宣言していた火宮を思い出し、不安が頭をよぎる。
なるべく機嫌を損ねないように、お仕置きなんかをされないように。
仕方なく自慰は我慢することにする。
「でもスイッチ入るツボ、さっぱりわからなかった…」
昨日の急な責めも、なんでいきなり始まったんだか。
「ま、考えても仕方ないか。シャワー浴びてこよ」
きっとサディストとは、唐突に嗜虐心が湧くものなんだ。
そのときはそのときで付き合うしかない、と適当に結論付けながら、俺はリビングを横切って風呂場に向かった。
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