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「ひぃあぁぁーっ…」
横一線に走ったのは確かに痛みなのに。
俺の身体はそれも快感と捉えた。
「ふっ、うぅぅっ…」
バッタリと床に倒れ込んだ身体が、長くいつまでも震える。
頭の芯がジーンと痺れたようになって、思考回路は完全にショートした。
「クッ、飛んだか。少々やり過ぎたか?」
ククッと笑う火宮の声が遠くに聞こえ、ゆらりと身体が浮いた。
「ん、ぁ…?」
「ふっ、ほら」
ふわりと背中が触れたのは、柔らかなベッドだろうか。
夢の中にいるみたいに、何だか感覚の全てが不確かだ。
「うっ、あぁぁ…」
「クッ、かなりの量だな」
「ん…ッ…」
「翼。おい、翼」
ペシペシと頬がはたかれ、ぼんやりとした視界に火宮の悪い笑みが見えた。
「じんっ、あぁっ…刃…」
意地悪っ、馬鹿っ、底なしサディストッ。
浮かぶ苦情は脳内だけで、口からはタラリと唾液がこぼれただけだった。
いつリングが外されたのか、中心からダラダラと溢れる白濁を感じる。
「ほら、ちょっとうつ伏せになれ」
「う、ンッ…」
クルンと返された身体が、パタンとベッドに突っ伏す。
「ん、よし。傷はないな。薄く色づいて色っぽい」
スッと撫でられるお尻がら、ゾクゾクとするような快感が湧き上がった。
「ふぁっ、いや、いやぁ…」
クチュッと指を差し込まれ、ナカのローターも取り出してもらえる。
まだ媚薬の効果が続いているのか、何度もイッたはずの性器がまた力を取り戻す。
自分で散々鞭をあてておいて、優しく癒すように触れてくる手がズルい。
「ククッ、一筋だけ、色濃い赤がまた…」
ツゥーッと指先一本で、真一文字に横に滑っていった火宮の手。
「そそる」
「っ、ば…あぁっ!」
ギュッと最後は指の腹で強く押され、うっかり馬鹿と言いかけた言葉は嬌声に変わった。
「ククッ、痛むか?」
「っ…」
痛くないから困ってる。
フルフルと左右に振った首を笑われた。
「どうする?」
「っ…」
何が、とは聞くまでもなかった。
「お、仕置き…は、終わり?」
「あぁ。反省しただろう?」
「っ、んっ!」
コクコクと上下に振った頭を、ポンポンと撫でられた。
あーあ、散々酷いことされたのにな。
「おまえが望む方でいい」
それでも好きってどういうこと。
「っ…そ、んなの…」
本当、火宮さんはズルすぎる。
怠い俺の身体を気遣うとか。
どんなに酷いお仕置きをしたって、本気で俺を傷付けることは絶対にしないんだ。
「ふっ、うっ、抱、いて…」
「ほぉ?」
「っ…ちょーだい」
そうですよ。好きですよ。
どんなところも、全部、全部。
そっと後ろに伸ばした手で、少しだけ熱を持ったお尻に触れる。
割れ目に沿わせて乗せた手で、パカとそこを開いてみせる。
「クッ…」
「ここに、ちょーだい?」
本当は死ぬほど恥ずかしい。
蕾が空気に触れたのを感じて、ゾワゾワと肌が粟立つ。
それでもあなたを悦ばせたい。
惚れ抜いている俺は重症だ。
そんなの言われなくたって分かってる。
そぉっと後ろを振り向いて、誘いを込めて見つめた火宮が、壮絶に妖艶に微笑んだ。
「どこで覚えた。手加減出来なくなるぞ」
あぁ、欲情に燃え上がった瞳が嬉しい。
「しなくていーですよ」
だって好き。
何されたって、どんな火宮だって。
ただただ馬鹿みたいに大好きだから。
「おまえはっ…」
初めて余裕を無くしたような火宮の声が聞こえた。
「っ、あぁっ!」
ガバッとのし掛かってきた身体の重みを感じた瞬間、べろりと背中が舐め上げられた。
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