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ジッと見下ろしてくる火宮の視線を感じる。
器用に安全ピンを外されたシャツを開けられ、露わになった胸元に火宮の手が伸びてきた。
「んっ、んんっ…」
立てられた人差し指が、身体の中心に線を引くように、喉元から臍まで、スーッと滑っていく。
くすぐったさに身を捩れば、咎めるように火宮の目が眇められた。
「正直に答えろ」
「っ…ンッ」
「ここには触れさせたか?」
臍まで行った指がスッと離れ、代わりに触れたのは声を堪えている唇で。
「んっ…」
フルフルと首を振ったら、片頬だけを器用に吊り上げた火宮の顔が見えた。
「きちんと口で答えろ」
「っ、あ、されて、ない、です…」
キスも、フェラも、と流石に続きは目だけで伝えたけど、どうやら火宮は納得してくれたようだった。
「この傷は」
スッと指先が移ったのは、頬の一箇所で。
「ボタン…引き千切られて、飛んで…」
「だろうな」
「服…駄目にしてごめんなさい…」
制服だから高いのに。
ポツリと謝ったら、そこは気にするな、と火宮に指で額を弾かれた。
「次だ。ここは」
クニ、と胸の飾りを指の腹で押される。
「あっ、嫌だ、やだ…」
ビクリと仰け反った身体が、答えよりも先に答えとなる反応を示していた。
「ふんっ。翼、答えろ」
「あっ、あっ、そ、こは…」
思い出したくない。
けれど思い出すように強要してくるこれが、火宮の罰なんだ。
火宮以外の男に身体に触れさせてしまった俺への、お仕置き。
俺は、嫌でもそのときのことを思い出して、震えながら火宮に正直に伝えた。
「ふぁっ、あっ、さ、わら、れた…あいつら、に…」
「チッ。どんな風にだ、翼」
「っ、や…」
そんなことまで言わなきゃならないの?
クニッ、クニッ、と乳首を押し潰すように指の腹を滑らせる火宮が、少し苛立たしげに瞳を揺らしているのが見えた。
「翼」
言え、と目で促され、俺は震える唇を動かす。
「っ…ゆ、指で、摘まれて…」
「こうか?」
「ひぃぁっ!」
キュッ、と、やつらにされたように火宮に指を動かされ、思わずビクリと腰が跳ねた。
「んっ、んっ、あっ、あぁっ、やっ…」
コリコリと乳首を摘まれ、ビクビクと身体が震える。
あのときと違って、快感に、乳首がツンと尖っていってしまうのが分かって、恥ずかしさに顔が熱くなった。
「ふっ、立ってきたぞ。あいつらに触られたときも、ここをこうしたのか?」
こちらも、ともう片方の乳首も摘まれて、俺は悲鳴混じりの叫び声を上げながら必死で首を振った。
「してないっ、してないですっ。あのときは、ただ怖くて、気持ち悪くてっ…」
「本当に?こうされて、可愛い声を上げたんじゃないのか?」
「ひぁっ、あっ、あんっ、んンッ…」
してないよ、してない。
なんでそんな意地悪言うの?
俺は火宮以外に触られたって、気持ちよくも嬉しくもないに決まっているのに。
ブンブンと首を振る俺をニヤリと見下ろし、火宮はなおも執拗に乳首を嬲ってきた。
「抵抗せずに触らせたんだろう?」
「違っ、やっ、あんっ、だって…両手、上に…」
「ん?」
「手ぇ、別の男に…上に、押さえられて…」
クリクリと乳首をいじられ、快感に仰け反りながら、俺は必死で言葉を紡いだ。
「引き剥がし…たくても、できな、くてっ…」
非力な自分が情けなかった。
ポロリと涙が伝った頬を見下ろして、火宮がニヤリと妖しく笑った。
「なるほど。こういうことか」
「え?やっ、いやっ、火宮さ…」
シュルッと解かれたネクタイが見えた。
それは瞬き1つの間に、頭上にグイッと上げさせられた俺の手首に巻きついていて。
「やっ、そんな…」
キュッ、と一纏めに拘束されてしまった手が、まるで路地での出来事の再現のように感じた。
「火宮さ…ひぁっ、あっ、あぁんっ」
またも乳首を弄る手が動き出す。
嫌だ、嫌だと思うのに、目の前に見えるのは大好きな人の闇色の瞳で。
ゾクリ、ゾクリと上がる快感が、中心に熱を集めていく。
ズボンを押し上げる熱が火宮にも気付かれて、乳首から離れた片手が、スゥッとズボンの上からそこを撫で上げた。
「んんっ、あっ…」
「ここは?膨らんでいるぞ」
「あぁっ、だ、って…」
「やつらにされて、同じようにしたのか」
きゅっ、と性器をズボンの上から握られて、ビクッと身体が跳ねた。
「してないですっ…」
俺が感じるのは火宮にだけだ。
「触られたか?」
「されてなっ…触られてないっ…」
本当に?と細められる目が窺うように俺を見ている。
「本当っ。本当に」
その前に豊峰が助けてくれたから。
「ふぅん…じゃぁ見せてもらうか」
「は?え…見るって」
何、と思った時にはすでに、カチャカチャとベルトが外され、ズボンを下着ごと一気に引き下ろされていた。
「やっ…」
「ほぉ?濡れているみたいだが?」
ピョコンと飛び出てしまった性器を見つめられ、染みのついた下着を示される。
「違っ…違いますそれは…いま、火宮さんが…」
乳首を弄って感じさせたから。
「まぁ確かに、まだ真新しく粘ついているな」
「っ…言わ、な、で…」
観察するように性器をじっくりと眺められ、カァッと頬が熱くなるのと同時に、むくりとまた中心が力を増してしまった。
「ふっ、見られただけで」
クチュッ、と性器に火宮の手が触れた。
「あっ、あぁっ、あんっ…」
「なんだ。腰を揺らして」
「違っ、あぁっ、それ、や…」
先走りを塗り広げるように上下に擦られ、先端をカリッと指先で引っ掻かれる。
「んぁっ、あっ、あぁんっ…ンッ」
「ククッ、ますます溢れてきたぞ」
「だ、って、ひ、みやさ、んが…」
そんな風に触られたら、感じるに決まっている。
「クッ、俺がなんだ」
ニヤリと意地悪く笑いながら、ますます性器を弄る手を激しく動かしてきた。
「あっ、あっ、イっちゃう…イっちゃ…」
裏筋をスゥッと撫で上げられ、強弱をつけて揉みしだかれる。
先端にもクチュクチュと指の腹で刺激を受け、あまりの快感に頭が真っ白になった。
「あっ、イく。イきた…」
「ふっ、駄目だ」
「ふぁっ、な、んで…」
もうイく寸前だったのに。
スッと離れてしまった手にひどい喪失感が突き抜ける。
解放をはぐらかされて体内に残った熱が、全身を荒れ狂う。
「まだ調べていない場所があるだろう?」
「え…?」
「1番大事なところだ」
ニヤリ、と妖しく光った火宮の目に、ギクリとした瞬間。
グイッと膝の裏に手掛かり、両足を持ち上げるように大きく開かれた。
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