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「で?どういうつもりだ、これは」
ニヤリと笑う火宮の、目の奥が妖しく光る。
っ…。
どうもこうも、そのつもりなのは、火宮さんの方でしょう?
ムッ、と口を尖らせながら、裸の上半身を晒した火宮を見上げる。
「ククッ、ほら、俺はおまえの言葉通り以外のことはしないぞ」
それは、「背中を流すだけ」を撤回して、シテ欲しければ俺が言えってこと?
ここが風呂で、メモ帳もスマホも持っていないのを分かっていて、そういう意地悪を言うんだ。
「ん?翼?」
ほら、と唇を指先でなぞってくる火宮にムカついて、俺はパクンッ、とその指に噛み付いてやった。
「ッ…ククッ、そうくるか」
もう本当、意地悪なんだから。
いつもいつも、そう思い通りになると思ったら、大間違いだよ。
なのに、はむはむと火宮の指を甘噛みしていたら、ムラムラと変な気分になってきてしまったのは、俺の方だった。
っ…やばい。
前を隠したタオルが、完全にそこを押し上げてしまっている。
当然火宮がそんなおいしいネタを見逃すはずもなく、ニヤリと意地悪く光った瞳は、しっかりと俺の中心を見下ろしていて。
っーー!
慌てた俺は、パッと火宮の指から口を離し、急いで椅子から立ち上がって、浴槽の方へ走った。
ドボンッ…。
「ぷっ、クックックッ、おまえは」
湯船に飛び込み、顔の半分まで湯に浸かった俺を、火宮が目を細めて眺めてくる。
濁り湯でよかったーと思うけど、立ち上がってハラリとタオルが落ちた瞬間、元気に上を向いた性器は見られていただろう。
うー。
ずるい。
男の俺でもうっかり見惚れちゃうような、その逞しい胸板とか。
濡れて額に落ちた、つややかな黒髪の色気とか。
っ…やば。
湯船の中からそんな火宮の姿を観察してしまったら、ズクンとますます腰にキた。
あー、もう、どうしよう。
どうにもこうにも収まらない熱に、身が焦げてしまいそうだ。
頭の中が段々と、欲望だけに支配され始める。
「ククッ、翼」
もう、悔しい、悔しい、悔しい!
だけどそんな愛おしそうに名前を呼ばれてしまったら、もう我慢なんかできないよ。
っ…恥ずかしいけど。
言わないなら、何もしない、と、完全意地悪モードに入っている火宮はわかっている。
だけど今の俺に声はないから…。
ちゃぷん、とお湯を揺らして、くるりと身を翻す。
鮮やかな庭園が目の前に広がる、浴槽の奥側の縁に手をついて。
普段なら絶対にしない、大サービスなんだから。
旅行先でちょっと浮かれてて、その熱のせいだからね。
「ッ…」
ザパァ、と、お湯の中から立ち上がり、上半身を浴槽の縁に倒すように凭れさせたら、後ろで火宮の息を飲む音がした。
キ、て…。
空いた片手を、後ろに突き出したお尻に沿わせる。
ぐっ、と軽く割れ目を開くように力を入れたら、バシャンと後ろで水音が上がった。
「クッ、おまえはまったく。どこで覚えるんだ」
悪いやつめ、と囁きながらも、余裕がそこまでなさそうな、欲情に揺れた火宮の声が嬉しい。
いつの間にズボンも脱ぎ捨てたのか、チラリと窺った背後には、逞しい裸体を晒した火宮がいる。
ンッ…。
ヌルヌルと、泡立てたボディーソープを、自分の性器と、俺の蕾に塗りながら、ツプッと差し込まれた指が、性急にそこを解していく。
んっ、ハァッ、も、いいよ?
火宮に貫かれることを期待して、ウズウズと疼く蕾は、もう準備万端だ。
「クッ、パクパクと口を開けて…淫乱」
っ、意地悪ッ…。
ズルッと指が引き抜かれたと思った瞬間、ズンッ、と、熱くて太い火宮の性器が、ヒクつく蕾に突き立てられた。
っあ、あぁっ…。
ビクッと仰け反った身体を、ぐいと引き寄せられる。
ひぃゃぁっ、それ、深っ…。
立ちバックどころか、完全に後ろから火宮に抱え上げられるようになった身体の、奥の奥まで穿たれる。
あっ、あっ、やぁっ、あぁんっ!
ぐらぐらと揺れる視界が、目前に広がる庭園を捉えて。
開放的な景色の中で、こんな行為に及んでいるかと思うと、なんだかドキドキする。
外で抱かれているみたいな錯覚に、何故か上がるのはこれ以上ないほどの快感で。
「クッ、締まったぞ。なんだ、こういうのが好きなのか」
どM、と囁かれる火宮の声に、全力で首を振る。
違、う…。
Mじゃない、と言いたいけれど、でもこのロケーションとシチュエーションに興奮しているのは間違いなくて。
「ククッ、温泉と、立派な庭園と、上気した艶めかしいおまえの裸。まるで美しい芸術作品のようだな」
写真に収めて飾っておきたい、なんて。
バカッ…。
そんな変態的な台詞を、愛おしさに満ちた色っぽい低音で囁くなんて。
っ…イ、く…。
止まれるわけないよね。
きゅぅ、と下腹部が切なく震えて、ぎゅうぎゅうとナカの火宮を締め付けた。
ズリュッ、と一際強くそのナカを穿たれて、たまらず性器から白濁が飛び散った。
「クッ、締め過ぎだ…くそっ、出すぞ?」
あぁそうか。
ゴムの用意、ないもんね。
嬉し、い…。
コクン、と頭を上下させた瞬間、ジワッと熱い迸りが、最奥を濡らしていったのを感じた。
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