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「ほら、翼。出してみろ」
くいっ、と引かれたローターの紐に引きずられ、ナカをぞろりと擦りながら、それが入り口付近まで移動する。
あっ、あぁっ…。
まるで排泄のような感覚に、倒錯的な快感が湧く。
ナカが収縮を繰り返し、先端が僅かに蕾を押し広げた瞬間。
やっ、んぁっ、あぁっ。
あぁ、解放される、と思ったのに。
意地悪くも火宮の手はパッと紐から離された。
あっ、あっ、あぅぅ…。
せっかく後1歩で取り出してもらえると思ったのに。
きゅぅ、と反射的に収縮してしまった蕾が、ローターを奥へ戻してしまう。
もぞもぞと蠢動を始めた内壁に押し戻され、結局ローターは、ナカに留まってしまった。
ひぅ、あぁっ…。
期待した後の絶望感はあまりに大きい。
しかもそれが自分の身体の反応が起こしたことだなんて、浅ましくて泣けてくる。
もっ、やだ。
こんなの無理ぃ、と泣き言を言いたいのに、相変わらず俺の声は出なくて。
じんー。
潤んだ目を向けて後ろの火宮に縋ったら、クックッと喉を鳴らした火宮が、艶やかに微笑んでいた。
「ククッ、降参か?」
鮮やかに微笑む火宮に、全力で頷く。
「では暴言を謝って、今後は控えるか?」
もう言わないか、と言わないところがこの人、俺を分かってる。
「翼?」
謝る。バカ火宮って思ってごめんなさい。
出せない声の代わりに、必死で身体を捩って伝えた俺に、火宮はニヤリと妖しく笑った。
「まだまだ、もっとだ」
はぁっ?これ以上…いや、はい、舌の根も乾かないうちに、やらかさないくらいの学習能力はあります。
っ…許して?火宮さん。
どうしたらいいか、と考えるまでもなく、俺は恥ずかしさに目を瞑って、フリフリとお尻を振りながら、火宮に媚びた。
ぶわっ、と火宮の方から、むせ返るような色香が増加する。
あはは。この人がどうしたら悦ぶのか、自然に分かる俺も俺だね。
あなたに喜んでもらえるためなら、俺はどこまでだって堕ちてやる…。
「ッ、翼」
これでもか、というほど背を仰け反らせて、限界までお尻を高く突き出す。
欄干に括り付けられた手首がギリギリと痛んだけれど、構うものか。
ンッ…後ろの、取って?
お仕置き、許して。
お願い、と、再びお尻を軽くくねらせる。
「ククッ、そそられた。許してやる」
ぞくっとするような欲情に揺れた火宮の声が届き、その瞬間、ズルッと内臓が引きずり出されるような衝撃が襲った。
っあーー!
勢いよくローターが取り出されたんだ、って気づいたときにはもう、空になった後孔に火宮の熱が触れていて、ヌルヌルと蕾を擦る先端に、勝手に腰が揺れた。
あっ、挿れて。挿れて、お願い、火宮さん。
「従順に媚びるおまえも、可愛いものだ」
たまにはいい、という囁きが耳をくすぐった瞬間。
ズンッ、と突き立てられた熱に、チカチカと目の前に星が散った。
あぁっ!
欄干の向こうに、庭園の光が煌めく。
後ろからガシッと腰を持たれ、ガンガンとナカを穿たれる。
乱れた火宮の浴衣の裾がハラハラと腿を擦り、それすら快感となって身を襲う。
「クッ、翼」
あっ、あっ、火宮さっ、刃っ…。
「ハッ、今日、は、一段とよく、締まるッ…」
呼吸を乱す火宮も、感じてくれているんだと思うと、それだけでなんかクる。
あっ、刃、もっと。もっとぉ!
不自由な手で、欄干に縋るようにガシリと掴まり、火宮の律動に合わせて俺も腰を突き出す。
っあぁっ!
ズンッ、とタイミングの合った突き上げに、奥の深いところを抉られて、頭が真っ白になるような快感が押し寄せた。
や、っばい…気持ちいい。
「クッ、いいぞ、翼」
あぁ、刃も同じ?一緒に気持ちいい?
ほわんと心が温まり、へにゃへにゃと頬が緩んでしまう。
「ッ、翼」
あっ、あっ、激し…。イく、出るッ!
「翼、堕ちろッ…」
羽をもがれて、高い高い頂きから。
それでも下に、両腕を広げた火宮が待っていると俺は知っているから。
「ぶちまけろ」
悪い囁きが聞こえて、シュルリと欄干の帯が解かれた。
あぁぁっ!そんなっ…。
ぐい、と膝裏に差し込まれた手に、両足を開いて身体を抱え上げられたかと思ったら。
こんなっ、だ、めっ…。
だけど。
イ、ッ、くぅ…。
立った火宮の中心と繋がったまま、深く深くを穿たれて、耐えきれずに俺は、月明かりとライトアップされた庭園の光に照らされて、派手に白濁を飛び散らせた。
「クッ…ハッ」
パタパタと、床から欄干からその向こうから。あちこちを汚してしまった羞恥にきゅんとした瞬間、身体の奥で火宮が弾けたのも感じた。
もっ、ばか…。
くたん、と脱力していく身体を、がっしりと抱えてくれる火宮の腕が頼もしい。
浮かんだ暴言は甘く蕩けている自覚があって。火宮の空気もトロトロの蜜みたいに俺を甘く包む。
ーー好き、刃。
コテンと頭を火宮の胸に預けたら、ふわりと優しい声が届いた。
「愛している、翼。…次は寝室だな」
っ…。まだするの?
本当、絶倫だな…。
「掴まってろ」
ま、いっか。
付き合いますよ。
求められるのは嬉しくて、実はまんざらでもなかったりして。
お姫様抱っこで運ばれていく身体が、ゆらゆらと心地よく揺れていた。
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