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「あっ、アッー」
ジュプッと後孔に指を突き立てられ、ゾクッと上がった快感に身を震わせた。
「ふっ、あぁ!あっ…」
ぐるりと指を回されれば、たまらない刺激に身が捩れる。
「あっ、あっ、火宮さっ…刃」
ぎゅぅ、と搔き抱いた火宮の身体にしがみつき、ガブリとその肩口に齧り付く。
「クッ、翼。大丈夫か?」
グチュリ、グチュリと蕾を解しながら、火宮が俺の顔を窺うように覗いてくる。
「んっ、ンッ、平気…だから、もっと」
俺は正気だよ、大丈夫。
強請るように腰を揺らせば、火宮がククッと喉を鳴らして、後ろを弄る指を増やした。
「ひぅ、あぁっ!」
「クソッ、邪魔だな、これ」
抜くか?と凶悪な台詞を漏らす火宮が、点滴のチューブを鬱陶しそうに揺らす。
「あっ、はっ、俺っ、は、いいけど、せんせ、に怒られ…」
「ククッ、注意を無視して、病室でおっ始めている時点で説教確定だ」
今更、と笑う火宮に、反省する気は欠片もない。
「あ、はっ、確かに」
これはバレたら、どこぞの誰かのブリザードも吹き荒れるやつだ。
思わず可笑しくなってしまいながら、クスクスと笑ったら、火宮の身体がギクリと強張った。
「翼?」
「あっ、んっ、大丈夫、ですよ?」
また狂気に、と畏れる火宮に、にこりと笑って見せる。
「大丈夫」
こうしてあなたに触れられて、俺が薬物の感覚を蘇らせることは決してない。
「翼」
「ふふ、だってね?クスリよりもずっと、火宮さんに触れていることが気持ちいいから」
その身体にも、その心にも。
クスリ以上の快感と快楽、そして何よりの安心を知っている俺が、惑うわけがない。
「ククッ、言うな」
「アッー、そこ!」
ニヤリ、と唇の端を吊り上げた火宮が、的確に前立腺を擦り上げる。
「あっ、駄目。だめっ、出ちゃう」
1人で先にイくなんて、嫌でグズグズとむずかるように首を振る。
「ククッ、翼」
「だめ。やだっ。挿れて…お願い、火宮さんっ、きて…」
「ふっ、可愛いことを言う」
「アッ、だって…」
繋がりたいんだ。
火宮の熱いねつで、グズグズに溶かされたい。
「クッ、翼、いくぞ」
「っあー!」
ズルッと引き抜かれた指の代わりに、ギシッとのし掛かってきた火宮の熱が蕾に触れる。
「っんァッ…」
期待にヒクつく蕾を感じた瞬間、ズプッと一気に奥まで穿たれた。
「あっ、はっ、刃。じん」
「クッ、翼。締めるな」
「あっ、だって、だって…」
嬉しくて。気持ちよくて。
ナカを穿つこの熱を、逃したくないんだ。
「ほら、少し力を抜け」
動けない、と笑う火宮が、ゆさゆさと腰を揺らす。
「あっ、はっ、あぁっ!」
「クッ、もっていかれそうだ」
ズルズルと、入り口付近まで一旦抜けた火宮の性器が、またズプンッと突き入れられた。
「あっ、刃。じん、好き」
点滴のチューブが邪魔で、片腕しか自由にならないけれど、その腕で必死に火宮にしがみつく。
「んぁぁっ!刃っ…」
仰け反る喉に、チクリとした痛みが走って、ニヤリと笑った火宮の顔が間近に見えた。
「っ、ハッ、翼」
「んっ、あっ、刃っ」
呼吸を荒げて、髪を乱す火宮が壮絶に色っぽい。
ズンズンと律動を早める身体に比例して、互いの熱が頂点まで高まる。
好き。好き。大好き。
ぎゅっとしがみついた身体を、早く激しく追い立てられる。
「っ、刃ッ、イ、くっ…」
ズプッ、と一際強く最奥を穿たれ、チカチカと目の前が瞬いた。
「っ、あぁぁっ!」
ピュッと中心から白濁が飛び散り、互いの腹の間を濡らす。
「ッ、翼」
ハッ、と熱い吐息を漏らした火宮が軽く喉を晒し、きゅっ、と歪んだ顔が、一瞬後にふわりと弛緩して。
「じん」
あぁそのイキ顔。
火宮さんだぁ。
大好きなその顔が目の前にあって、馴染んだ温もりがこの手にある。
ナカにはまだ火宮の熱が居座っていて、その繋がりを実感する。
「あぁ…」
戻って来れたんだな。
俺がこの世界で1番側にいたい人の隣に。
「刃」
思わずにまっ、と頬を緩めて、俺を見下ろす火宮を見つめたら。
その唇が、不意に「まずいな」と呟いて、俺の腕に向いた顔が、小さな苦笑を浮かべた。
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