アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
13
-
ドキン、ドキンと、身体中が心臓になったみたいに、激しく脈打つ。
震える身体と、ゴクリと鳴った喉は、緊張の証か。
「ッ!」
しゅるっと火宮がネクタイを解いた音が、やけに大きく耳に響いた。
緊張感が限界を超えて高まる。俺は、このまま緊張し過ぎて爆発するんじゃないかと思った。
「翼」
「っは、は、はいっ!」
どうしよう。俺も自分で服を脱いだ方がいいんだろうか。
「クスッ、そう固くなるな」
「はいぃっ!」
うわ、声が思い切り裏返った。
楽しげに笑っている火宮の余裕が恨めしい。
「おまえは俺に、ただ身を委ねていればいい」
ぐいっと引き寄せられた腰と、近づいてくる美貌。
「今度は目、閉じろよ?」
ガキ、と笑った火宮の顔が、焦点が合わないほど間近に寄せられ、俺は反射的にギュッと目を瞑っていた。
「んっ…ぁ…」
2度目の、火宮とのキス。
初対面のときにいきなり奪われたそれと違って、長くて深い。
「ッ?!」
な、なにっ?舌!舌が入ってきたーっ。
息苦しさに喘いだ瞬間、ぬるっと入ってきた火宮の舌が、口の中をぐるりと舐めた。
「んっ、ふっ…」
勝手に鼻にかかった声が漏れてしまう。
歯の裏をなぞられ、びっくりして逃げようとした舌が捕まる。
やばい、なんだこれ、気持ちいい…。
チュク、ジュルっと音を立てながら舌が吸われ、ゾクゾクと背を駆け上がるのは、紛れもない快感。
「ふぁっ、んぁ…」
がくっと腰から力が抜け、俺は慌てて火宮の腕にしがみついた。
「ふっ」
目を眇めて、火宮が意地悪く微笑んだ。
その瞳に映る俺の顔は、蕩けて欲情が揺れている。
「感度がいいな」
「っ…火宮さんが、上手すぎるんだ」
「褒めてるのか」
恥ずかしさからぶっきらぼうになってしまう俺にも、火宮は余裕で楽しそうに笑っただけだった。
「うわっ?!」
いきなり、両足が掬い上げられ、俺は咄嗟に火宮の首に腕を回した。
これっていわゆる、お姫様抱っこってやつー?
男の俺は、いつか彼女ができたとき、これをしてあげるのは自分だと思っていたけど。
まさかされる側になるなんて。
体格差を痛感すると共に、今から女のように抱かれるんだってことを思い知らされる。
「っ…火宮、さんっ…」
今さら、引き返せないことなんか分かってる。
借金はチャラになったし、俺はこうして生かされているし。
「っ、ふ…」
大丈夫、分かってる。覚悟はちゃんとできている。
「さて、所有の証を、たっぷりとこの体に刻み付けてやる」
物扱いをする冷たい台詞と裏腹に、ベッドにそっと下ろされた体は丁寧な優しさを感じる。
「おまえの全てが俺のものだ」
妖しく光った火宮の瞳が、真っ直ぐ俺を見下ろしている。
「んっ…」
ゆっくりと頭を頷かせた瞬間、伸びてきた火宮の手が、首元のネクタイの結び目にかかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 781