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「んっ、あっ、ぅ…ンッ」
クチュクチュといやらしい水音が上がる。
窓ガラスについた片手のひらだけで上半身を支え、俺は窓辺に立ったまま、室内の方へとお尻を突き出して、自分で自分の後孔を解していた。
「ふっ、あぅ…火宮さっ、もう…」
グチュッと突き立てた指に、ナカの粘膜が絡みついてくる感触が嫌だ。
自分の指の動きに反応して、ヒクつく入り口の浅ましさに泣けてくる。
好きでやってるんじゃないのに…。
窓ガラスに映る淫らな俺の姿の後ろには、悠然と椅子に座って足を組み、ニヤリと愉しげにこちらを眺めている火宮がいる。
その手がくるくると弄んでいる鞭に、仕置きだ、罰だ、と散々脅されたから仕方がないんだ。
「ククッ、綺麗だ、翼」
「はっ、ぅ…なにを」
こんな俺だけ裸で、カーテンを閉めさせてもらえない窓辺で、自分の指を自分の蕾に突っ込んで、浅ましく腰を揺らしている俺のどこが。
「羞恥と屈辱に歪み、上気した顔」
「っ…」
あぁそうだった。この人、どうしようもなくどSなんだった。
「ふ、ぅぅ、あぁっ」
「ククッ、自らの指を呑み込んで、いやらしくヒクつく蕾も可愛い」
「っ、バカ…」
キッ、と窓ガラスの中の火宮を睨んだら、ゆらり、と立ち上がった、火宮の影が揺れた。
「よし、そろそろいいだろう」
「っ、なに?」
ゆっくりと近づいてきた火宮の手が、鞭ではない、黒いスペードみたいな形をした何かを持っているのが見えた。
「ククッ、これか?」
ニヤリ、と意地悪く笑いながら、ゆっくりとその何かを持ち上げた火宮が真後ろまで来る。
「アナルプラグ」
「っ…」
「たっぷりの媚薬入りのローションをつけて挿れてやる」
「そんなっ…」
嫌だ、と振り返ったときには、後ろに入れていた方の手が腰のあたりで捕らえられ、上半身をぐいと窓ガラスに押さえ付けられていた。
「やだっ。やだ」
窓についていた手がギギッとガラスを引っ掻く。
蕾にピタリとあてがわれたアナルプラグとやらの先っぽが、入り口を押し分けてナカに潜り込んできた。
「あっ、やっ、やだ」
「ほら、ちゃんと息をしろ」
「あぁっ、っく、ぅ…」
ゆっくりと押し込まれるプラグが、徐々に太い部分に差し掛かる。
「っあんッ!あぁぁっ」
「ククッ、上手に呑み込んだぞ」
愉しげに揺れた声が聞こえたのと同時に、スッと押さえつけられていた手が離された。
「っ、あんっ、ンッ」
最後はつるんとナカに収まったプラグが、きゅん、と収縮する内壁を擦る。
「く、はっ、あっ…」
ナカに異物がある、というだけで、熱くなってくるこの身体は、媚薬のせいか。
「クッ、翼、そのまま立っていろ」
「ひ、みや、さ…?」
必死で窓ガラスに縋り付く両手の間に、遠ざかっていく火宮の後ろ姿が見えた。
「っあ、あぁっ、あんッ…」
ドクンッ、と中心に血液が集まる。
「あっ、はっ、はぅんッ…」
どうやら全身に媚薬の効果が回ったらしい。
身体中が火照る。
「ふっ、うっ、はぁっ、あっ…」
高まる熱に身悶える身体を、立たせておくのはもう限界だ、と感じた瞬間。
ふわり、と背中に、何か布が掛けられた。
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