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お話
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ホームルームもおわり、クラスメイトは皆、1時間目の準備を始めていた。
「えっと…1時間目は…」
と1人呟く。
フッと後ろを見る。
後ろの席は叶多の席だった。
彼の机の周りにはクラスメイトが集まって騒いでいた。
男子も女子も楽しそうにしている。
(凄いな北條君…)
そう思いながら前の時計に目をやる。あと2分で授業が始まる。
彼もそれに気づいたのかみんなの顔を見る。
そして、叶多は皆に席をつくよう呼びかける。
「もう少しでチャイムがなる。皆、席についてくれ」
「相変わらず真面目だな、叶多は」
「そうよねー」
皆、笑い混じりに自分の席に戻っていく。
皆席についたのを確認したら、彼はふぅ、と一息つく。
「た、大変だね、北條君」
と声をかける。
すると彼はやさしく微笑みながら
「そうでもないよ」
と答えらる。
「それから、その「北條君」ってやめてくれない?」
「あ、ごめ…」
謝ろうとすると彼は
「違うよ、その呼ばれ方がどこか堅苦しかったから叶多と呼んで欲しかったんだ。呼んで?」
と言う。
なので僕は一息ついて
「か、叶多くん」
と言う。
すると彼はくすくすと笑いながら
「なに?瑠璃」
と聞き返す。
「ううん、何でもないよ」
と笑って答えた。
こんなに学校が楽しいと感じたのは久しぶりだった。
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