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帰り道
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その日は授業も終わり瑠璃も帰りの支度をしていた。
すると叶多が瑠璃の横に来て、声を掛けた。
「瑠璃、一緒に帰らない?」
「ぇ…?」
少し動揺して目を見開く。
理解するのに時間が掛かった。
「ん、?どうかしたの?瑠璃」
彼はキョトンとしていた。
「あ、ええと、良いよ」
と答える。
すると叶多は嬉しそうな顔をしていた。
「じゃあ、行こうか」
「うん!」
いつもどうりの帰り道。
唯一違うのは、隣に今日友達になったばかりの叶多がいる事だった。
いつもは1人、静かに帰っていたため、誰かと帰るということはとても新鮮だった。
隣の彼は嬉しそうに話をしている。
「そう言えば、瑠璃の家はどっちなの?」
と聞かれた。
「あ、ああ、あっちだよ」
と答える。
考え事をしていたため、いきなり投げかけられた質問に答えられず、少し間があいてしまった。
「そうなんだ、一人暮らしなの?」
「うん、高校に入ってすぐにね」
「どうして?」
と聞かれる。
「…」
なにも答えられなかった。
中学生前までの記憶はすべて覚えていなかったからだ。
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