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記憶の残滓
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「どうしておまⅹは生きⅹⅹの!?」
「お前なんか死ⅹばいいⅹに!」
誰かが声を荒らげている。
その声のせいなのか頭が痛い。
その痛みは頭だけでなく心もだった。
ボサボサで長い髪。
僕を睨む鋭い目。
「死ⅹ!ⅹね!」
そう言って何度も自分に振りかざされる手。
閉ざされない痛み。
抵抗することさえも許されない。
(嫌だ…どうして?どうしてよ、おⅹⅹさん)
「………瑠璃!瑠璃!」
「え?…叶多…君?」
叶多は心配そうにこちらを見ている。
「大丈夫じゃ、なさそうだね…」
「え?だ、大丈夫だよ?何を言っているの?」
首を傾げて叶多を見る。
すると彼はそっと口を開く。
「だって泣いてるじゃないか」
そこで気づいた。
自分の頰が涙で濡れていることを。
「あれ?おかしいな…何で涙が…?」
(泣きたい訳ではないのに…涙が溢れ出て止まらない…)
叶多はそっと瑠璃に近づき、力強く抱きしめる。
「ふぇっ…うぅ…」
抱きしめられ、自分の心の中の何かが安心したのか涙が余計に出てくる。
瑠璃は叶多の胸の中で泣き続けた。
叶多は決して嫌がらず、瑠璃が泣き止むのをそっと待ってくれた。
瑠璃は久しぶりに人の温もりに浸った。
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