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苦しみと記憶
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しばらくしてやっと涙も収まって、落ち着いてきた。
「か、叶多…君、ごめんね、いきなり泣いて…」
「ううん、それにしても大丈夫?」
叶多はそっと瑠璃から離れる。
「うん…」
さっきのが、何だったのか全然わからなかった。
でも確かに声は自分だった。
泣き叫んで許しを乞う自分…
そして、自分に暴言を吐きながら殴る知らない女性。
(頭が痛い…)
これ以上思いだそうとすると頭がズキズキと痛む。
ふっと前を向く。
叶多はこちらを心配そうに見ている。
「こちらこそすまないな、瑠璃。」
「ど、どうして謝るの?」
「元はと言えば俺がこんな話を振ってしまったからだろう」
叶多は悲しそうな顔でこちらを見る。
「そ、そんなことない!だって、叶多君は僕が泣いているのに何も言わずに泣き止むまで待ってくれていたし…」
すると、叶多の顔が迫ってきた。
「えっ?」
気づいた時には叶多の唇と自分の唇が重なり合っていた。
「んん?!」
少したって叶多はそっと唇を離し、ニヤリとした。
(え、今のって…)
顔が熱い。
するとまた、叶多の顔が近づいてきた。
そして、触れるだけのキスをしてきた。
「…隙あり」
叶多は満足そうに微笑んでいる。
「え、あ、あの…」
「なに?瑠璃」
「え、あ…何でもないです…」
「瑠璃はほんとに可愛いね」
瑠璃は恥ずかしすぎて顔を手で覆う。
すると叶多はそっと口を開く。
「ねぇ、瑠璃
好きだよ」
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