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朝②
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叶多はこちらに近づいてくる。
「はぁ?何、君…」
入江は嫌な顔をしながら叶多を睨む。
「もう1度だけ言おう。その汚い手を瑠璃から離せ」
その声には殺気のようなものが感じられた。
その事に入江も気づいたのか、瑠璃の手を離す。
「叶多君…」
瑠璃は叶多の名前を呼ぶ。
すると叶多は瑠璃の顔を見て微笑む。
しかし、少し怖い顔は残っていた。
(叶多君、怒ってる…)
不安そうに叶多を見つめる瑠璃。
「あのさ、ウザイんだけど。」
入江は低い声で叶多に言い捨てる。
「それに、別にお前のじゃないだろ?」
「はぁ…」
叶多はため息をつく。
「瑠璃は俺の物になった。だから、もう二度と瑠璃に近づくな」
静かにそっと冷静に言い放つ。
「はぁ?何言ってんの?こいつ」
入江はバカにしたように笑う。
叶多の顔は影を帯びていた。
(こ、このままじゃ…)
そう思った瑠璃は叶多の方へ行き、腕に抱きつく。
「か、叶多君、もういいよ。だから、もう行こう!」
叶多に引きつった笑顔を見せる。
「やっぱ…監…しておけば…かっ…」
すると叶多は何かを呟く。
しかし瑠璃には聞こえなかった。
「うん、分かったよ、瑠璃」
叶多は少し経って瑠璃に優しく微笑みながらそう言う。
「じゃあ、行こうか」
にっこり笑う叶多。
この時なぜか瑠璃は心のどこかで恐怖を感じた。
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