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記憶の夢でさようなら①残酷描写あり
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「……て!………て!」
(な、何を言ってるの?)
上手く聞き取れない。
目を開くと当たりは真っ暗だった。
さっき、なんと言ったのか気になって首をかしげていると、誰かの手が振りかざされてきた。
バチン!
大きな音を立て自分の頰にその振りかざされた手が当たる。
「ひっ?!」
頰がヒリヒリして痛い。
(な、なに?!誰?)
瑠璃はただただ暗闇に恐怖していた。
すると、また手が振りかざされる。
その手もまた、自分の顔に勢いよく当たる。
(痛い…どうして殴るの?)
まるで、現実のように殴られた所に痛みが付いてくる。
「ごめ、なさ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
自分が自分じゃないかのように謝罪の言葉を口にする。
すると、さっきの言葉が鮮明に聞こえてくる。
「死ねばいいじゃない!あんたなんて!
私の子じゃない!」
(え…?)
頭が混乱する。
(私の子じゃない…?どういうこと?)
前を見る。
そこには見覚えのある顔があった。
ボサボサの長い髪。
やつれた顔。
ガリガリの身体。
叶多と一緒に帰った時、フラッシュバックした女の人にそっくりだった。
(あの時の、女の人…?)
ますます頭が混乱する。
「あんたのせいで、男には逃げられる!全てはあんたが生まれたからなんだよ!この、忌み子!」
その女の人の発する言葉一つ一つで心が反応する。
(なんでこんなに胸がいたいの?)
苦しくて悲しくて、希望がない錯覚に見舞われる。
「ごめんなさいごめんなさい!」
「謝るなら死になさいよ!糞ガキ!」
涙がポロポロ溢れ出す。
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