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夏樹さんの家へ①
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今日、叶多と瑠璃は山形県行きの新幹線に乗っていた。
終業式も終わり、冬休みに入った。
冬休みに入る前に叶多が、
『夏樹さんの家に行くのは早い方がいいんじゃないかな?』
と、提案してくれた。
なので、終業式が終わったあと、夏樹さんに電話して、友達と冬休みに帰りたいというと、すんなりOKを出してくれた。
なので、冬休み一日目、こうして夏樹さんの家に向かっている。
ちなみに蓮は、瑠璃の引越しの手続きで留守番となった。
「夏樹さんの家、山形県だったんだね。」
「うん!夏樹さんは家族が2人いて、僕にとってはお兄さん達なんだけど、とっても優しいんだ!」
瑠璃はえへん、と鼻を鳴らす。
「どんな人達?」
叶多が不思議そうに瑠璃を見る。
「一番上のお兄さんは、東京へ上京してホストをしているんだよ。昔から人の気持ちをそれとなく察してくれるのが美味かったから、辛い時とかは、寄り添ってくれてたんだ」
懐かしくなって、少し鼻の奥がツンとした。
その様子をみて叶多は何かを話そうとしたが、口ごもった。
代わりに
「そっか、そのお兄さんは今も東京にいるの?」
と聞いた。
「ううん、今日に合わせてお休みと有給、どっちも使って戻ってきてくれてるみたい」
と笑うと叶多も嬉しそうに
「なら良かった、会えるのが楽しみだよ。」
と微笑んでくれた。
「ところで、もう1人のお兄さんは?」
叶多は首を傾げる。
「もう1人のお兄さんは恥ずかしがり屋で、内心的なんだけど、いざと言う時はとっても頼りになって、僕が最初に夏樹さんの家に来た時、優しくしてくれたんだ!」
叶多は優しく微笑みながら瑠璃を見ている。
すると、車内アナウンスが流れる。
「まもなく〜山形県に到着致します。お降りの方は、お荷物の準備を」
「だってさ、瑠璃。降りる準備しようか」
「うん!」
そう言って、瑠璃はボストンバッグを膝の上に起き、降りる準備をする。
数分後、また、車内アナウンスが流れる。
「山形県に到着しました。お降りの際は忘れ物のないようお願いします。」
「じゃあ、行こう!叶多君!」
「うん、あと、瑠璃、叶多君じゃなくて叶多でしょ?」
「うっ…」
付き合い始めたこともあり、叶多君と呼ぶのは辞めようと言う話になっていた。
「じゃ、じゃあ、叶多」
「うん、何?」
優しく微笑む。
「行こう!」
「うん」
そう言って、2人は新幹線を降りる。
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