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過去の苦痛と愛の決断④
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「そうね、どこから話しましょうか…」
夏樹は下を向いたまま考え込む。
「そうね、まず、紫さんの話をしましょうか…」
そっと瑠璃の顔を見る。
「紫さん…?」
「あぁ、分からないわよね」
首をかしげ、質問する瑠璃に夏樹は苦笑いしながら答える。
「あなたの本当の母親よ。」
「本当の…母親?」
驚きを隠せない瑠璃。
母親は瑠璃のことを産んで死んだと夏樹に聞いていたからだ。
「でも…」
「あれは嘘よ。」
「って言うかそっから話し進まないから進めようぜ」
と遼河が言う。
***
紫と夏樹は学生時代親友だった。
とても仲が良く、周りの人も羨ましがるほどよ仲だった。
そんなある日、紫はなんの前触れもなく失踪した。
もちろん夏樹もなにも聞いていなかった。
紫がいなくなって数日が過ぎた時、ある噂が出回った。
「紫さんっていたじゃない?あの子、危ない人に連れていかれたんだって」
「なんてったってヤクザだって。」
そんな事がみんなの間で囁かれていた。
もちろん夏樹はそんな事信じていなかった。
(そんな訳ない!)
だが、それから夏樹が紫に会うのはそれほど時間がかからなかった。
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