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過去の苦痛と愛の決断⑩
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頭が真っ白になった。
(紫が…自殺した…?)
ただ呆然と翠を見る。
「はい。手首を切って自害しました。」
「嘘よっ!」
ここがファミリーレストランだと言うことを忘れて翠に言い放つ。
「いいえ。本当です。」
冷たく言い放つ翠。
しかし翠は俯いていた。
その仕草を見る限りでは嘘を付いているようには見えなかった。
翠はこちらのことなど気に留めず話を続ける。
「紫を発見した時にはもう…
そして、これだけをあなたに伝えに来たのではありません。」
覚悟したように夏樹を見る。
「紫の子供、瑠璃様をあなたに預けてほしいと、紫が遺書に書いたのです。」
「紫が…?」
夏樹は泣きながら翠を見る。
紫が死んだことが信じられなかったから。
胸が締め付けられて苦しい。
しょっぱい味が口の中に広がる。
「紫の子供は義父と義母が代わりに育てることになり、生まれてすぐ紫から瑠璃様を引き剥がしたのです。そして、瑠璃様を返してもらうことに成功し今、私が瑠璃様を保護しています。」
翠はカバンから何かを取り出す。
1枚の綺麗な白い紙。
「あなたにこれを渡します。紫の遺書です。」
無言でその紙を受け取る。
だが、今読む気にはなれなかった。
なので、その紙を懐にしまう。
「今から私の家に来てください。」
翠は深々と頭を下げた。
「わかりました…いいですよ。その前に一回家に帰っても良いですか?」
と翠に聞くと、翠は優しく微笑みながら
「いいですよ」
と答えた。
ーーーー
作者より
過去の苦痛と愛の決断がいよいよ⑩に来てしまったので、サブタイトルを変えます。
わかりずらくなってしまうかも知れませんが、ご了承くださいm(_ _)m
あともう少しで夏樹さんのお話が終わります…
長くてすいません(´;Д;`)
あともう少し夏樹さんのお話にお付き合い下さい(_ _)
短いながら失礼します…
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