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瑠璃の思い
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「私が覚えている限りをすべて話したわ。翠はあの日、部屋に戻ってくることは無かった。そして紙に書かれた電話番号はダミーだったの。」
「…」
瑠璃は何も言えなくなった。
実の母親の死。
そして、1番幼い頃を知っている翠の失踪。
紫も翠も今の話を聞いて初めて聞いた名前だった。
「…夏樹さん、瑠璃を引き取った義理の親の名前はおぼえていませんか?」
と叶多は聞くが夏樹は首を横に振った。
「残念だけど覚えていないの…」
「瑠璃、確かにうちの家来た時とか包帯とか巻いてあったし、直視できるようなもんじゃなかったよな…」
と遼河は口を開く。
「その翠さんとやらを探してみれば何かわかるのでは無いでしょうか…」
満留が提案をする。
「そうだな、翠って奴が一番知ってんだろ?」
「それは無理かも知れないわ…」
と夏樹が言う。
「どーして?」
と遼河が聞くと
「翠さんは死んだ可能性が高いの。
いや、死んでいると思うの…」
夏樹は俯いてしまう。
「『篠崎家の事情を知ってるからこそ私は抹殺されてしまう運命。
篠崎家は元々秘密厳守。
秘密を守るためにはどんな手段も使ってくる。
私は篠崎家の秘密を知っている。
だからこそ篠崎家にとって危険な人物となってしまった。
紫が死んだということは、私は野放しにされている状態。
と言うことは私は情報を外部へ漏らす可能性があると判断されてしまったのです。』
って翠さんが言っていたの…」
「…」
叶多はそっと立ち上がり部屋を退室しようとする。
「…どこに行くの?」
と瑠璃が聞くと叶多は優しく微笑みながら瑠璃を見て
「すこし電話してくるだけだよ」
と答えて部屋を出ていってしまった。
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