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もう1人の影(視点 蓮)
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陽の光が入ってくる書斎。
蓮はいつも道理掃除をしていた。
そんな中鳴り響いた無機質な機械音。
蓮の携帯がなっていた。
画面には『叶多様』の文字。
いつものようにワンコールででる。
「もしもし、叶多様。どうか致しましたか?」
と言うと向こうから声が聞こえる。
『引越しの方は終わった?』
叶多は言う。
叶多が夏樹の家に行っている間、蓮は瑠璃の引越しの準備をしていた。
だが、それも昨日で終わり、引越しは完了していたので
「はい、終わりました。」
と答える。
すると、叶多は少し間を開けてから
『ねぇ、瑠璃の母親が、紫って言うんだってさ、蓮?』
と聞いてきた。
しかしその声には違和感があった。
背筋も凍るほど冷たい声。
その声を聞いた瞬間、蓮は予感した。
(叶多様じゃ、ない…)
「貴様、何者だ」
威嚇するようにいつもより声のトーンを下げて電話の相手に言う。
「蓮が一番知っているはずだが?」
(間違いない、こいつは…)
「あなたは”影”ですね…」
「ふん、やっと気づいたか」
見下ろされているような感じがした。
情もない出ているだけの声。
「それに、紫様は…」
「おい、思い出してきてるぞ、叶多は」
ふっと鼻で笑う”影”。
「それを阻止するのがあなたの役目でしょう。」
冷たく言い放つと”影”は
「もともと俺は叶多を守るために生まれた存在なんだぞ?だから俺はあいつであいつは俺だ。何をしても結局はいつか思い出す。」
と言う。
「何が言いたい…」
少し怒りの混ざった声で”影”に聞く。
「無駄な抵抗なんだよ、要するに。そこんとこ良く考えろよ、蓮よ」
そう言って”影”は電話を切る。
(無意味などでは_無意味などではない、”影”!)
怒りをあらわにしながらこれからどうするか考えた蓮である。
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