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勇気と愛と狂気
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いつからか、叶多様はおかしくなってしまわれた。
それがいつからだったか、はっきり分からない。
でも、親との関係。
紫様の別れとも関係しているようだった。
叶多様に起きた、自己防衛。
そして、そこから生まれた、もう一つの人格。
”影”
名前がないのでこう呼んでいた。
”影”の人格の時の記憶は叶多様と共有されない。
叶多様を守るためなのだろう。
「ねぇ、蓮。人が嫌がることをして何が楽しいのか、教えてよ?僕はどうすればいいの?死ねばいい?消えればいい?ねぇ!どうして僕から全部奪うの?!なんでよ!幸せになれないの?!」
ポロポロと涙を流しながら言う叶多様。
『っ…!』
『もう、嫌…死にたいよ、殺してよ…』
”影”が生まれる前の叶多様との最後の会話。
叶多様の涙を見たのはこれが最後だった。
苦しそうに顔を歪めながら叶多様は泣いていた。
(つらいのでしょう…)
そして、さっきの叶多様。
篠崎瑠璃を無理やり犯して、喜んでいた。
(叶多様…)
叶多様は、間違いなく、
”影”に呑まれていっている。
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