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苦しみの懺悔と笑顔
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目が覚める。
目の前にはグレーの天井が見える。
「…っ、!」
起き上がると、全身に激痛が走る。
そして、自分が動くとジャラリとなる手伽。
「い…たぁ…」
周りを見渡す。
窓と、自分が寝ていたベッドしかない。
ドアには小さな窓があり、そこには鉄格子が付いていた。
「ど、どうして、この部屋に…」
考え込むように俯くと、ガチャンと音がして、誰かが入ってくる。
「ひっ?!」
少しビックリして声が出る。
「起きてたんだ、瑠璃」
ニッコリと笑いながらこちらに近づいてきたのは、叶多だった。
「可愛かったよ、瑠璃」
叶多はベッドの端に手を置き顔を近づけてくる。
昨夜起きたことを思い出す。
紫について、叶多が何か知ってそうだったので、聞こうとしたがいきなり叶多は豹変した。
ベッドに押し倒し、手錠をかけ、無理やり犯した。
「…っ!」
「やっと思い出したんだね」
にっこり笑う叶多。
その笑顔に底知れぬ恐怖を感じた。
「ふふっ、やっとね、瑠璃を自分のものに出来た。嬉しいんだ、どうしようもないくらい」
「…」
言葉を失う。
ただただ怖かったのかもしれない。
昨日の夕方、つまり紫の話をするまではいつも通りの叶多だった。
そして、紫の話をしたのをきっかけに豹変した。
別人になった。
すると叶多はこちらの顔を伺い呟く。
「俺が消えるまで、もがいて絶望して、ここまで堕ちてきてね、瑠璃」
その顔は寂しさ、悲しさ、楽しさ、苦しさが出ていて、見ていられなかった。
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