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買い物
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今日は学校が休みだったので、叶多と2人で近くのデパートに来ていた。
デパートは相変わらず混雑していて、色々な人が色々な店で思い思いの買い物をしている。
今日デパートに来たのは、自分の家具や服を買うためだ。
まず2人で入ったのは洋服店だった。
叶多は
「これとかどう?」
と次から次へと服を持ってきては合わせて「うーん」と唸りをあげる。
「これ…いいな…」
そっと、白のワイシャツの様なものを手に取る。
胸の部分に白い刺繍が施されていて、気高く、気品に溢れている。
叶多は瑠璃の持っているワイシャツを見る。
「似合いそうだね」
そう言って手からワイシャツをひったくると店員に声をかける。
「これ欲しいんだけど」
「はい、失礼します」
気品に溢れた服を着た若い女の店員は叶多から、ワイシャツを受け取り、レジに持っていく。
「きっと似合うよ」
そう言って優しく微笑みながらこちらを見る叶多。
「そ、そうかな?似合えばいいけど…」
少しもじっとしていると、さっきの女の店員が戻ってくる。
「大変お待たせしました。お会計はどう致しましょう」
そう言う店員に叶多は
「会計は後払いで」
と答える。
「かしこまりました。今来ていかれますか?」
店員は首をかしげながらワイシャツをさしだしている。
「じゃあ、せっかくだし着ていく?」
叶多はこちらに振り返り小首を傾げている。
「じ、じゃあ…」
瑠璃は店員からワイシャツを受け取り試着室に入る。
着ていたパーカーを脱いで、ワイシャツの袖に腕を通す。
「、着心地いいなぁ…」
そんなことを言いながらボタンを順にしめていく。
そして、着ていたパーカーを持って試着室を出る。
「…っ!」
驚いたように目を見開く叶多。
「お待たせ。ど、どうかな…?」
くるりと回ってみせると叶多は
「す、すごい似合ってる。やばい…」
「なら良かったぁ〜」
ほっと息を漏らす。
この時に気づけばよかったのかもしれない。
これから起こる悲劇がどれだけ叶多を苦しめるか。
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