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あと3ヶ月の糸(視点 叶多)
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真っ白な服を着てくるりと回る瑠璃はその辺の女よりずっと可愛くて。
瑠璃の全てが愛おしい。
それでも、あと3ヶ月しか一緒にいれない。
あと3ヶ月で運命の糸は強制的に切られて、もう一生瑠璃とは会えなくなる。
それが怖かった。
それだけが嫌だった。
やっと愛することが出来たのに。
やっと触れられたのに。
なのに、なのに…
前、蓮は言った。
『お言葉ですが、もし叶多様が篠崎瑠璃を触れることが、愛することが出来ても、別れはすぐにやって来ます。別れるお覚悟はおありですか?嫌と言っても運命には従えない。それが貴方様の生きる道なのです。なのに、光を浴びて、絶望しませんか?』
その時は考えが甘かった。
いざ、一緒に過ごすと手放したくなくなっていた。
わかってる。分かってるけど…
やっぱり人間でいたい。
生きた人形なんて、嫌だ。
俺は死ぬまで弄ばれて、それでも、瑠璃に縋るのか。
別れたくない。
忘れたくない。
縋っていたい。
俺って、ただの馬鹿なんだな。
分かっているのに、もっと依存しようとする。
もっと欲しがる。
この運命は元々決まっていたのに。
抗えないことも、弄ばれることも。
でも、最後に希望を、幸せを、光を見ていたかった。
これから来る暗闇の前に。
ねぇ、俺はこんな運命でさえも抗えないのかな?
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