アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
悲しそうな微笑み
-
「ぅ、ん…」
目が覚める。
頭がズキズキしていたがそんなことは無視して起き上がる。
手と足には相変わらず鎖が付いていて、動かすとチャリっと音がする。
(終わった、の?)
あたりをキョロキョロする。
相変わらず殺風景な部屋。
叶多の姿は全くなかった。
ふっと自分を見る。
服も着ていて、体も綺麗にされていた。
(叶多、どこへ行ったのかな?)
そんな事を思ってしまっていた。
自分はきっと、叶多に依存し始めているのだろう。
あんなにも酷いことをされているのに、好き。
叶多の悲しみも苦しみも、一緒に背負って行きたい。
(やっぱり、おかしくなっちゃったんだな)
なんの柄もない天井を見る。
叶多の悲しそうな顔も、苦しそうな顔も、全て、
好き。
トントン。
短いノック音のあと、蓮の声が聞こえる。
「失礼します。」
ぼーっとしていたので少しビクッとする。
「起きたのですね。良かったです。」
蓮は部屋に入ってくる。
手にはお盆が持たれていて、お盆の上はお粥の入った茶碗と水の入ったコップがのっていた。
「あの、叶多は?」
蓮に恐る恐る聞くと、蓮は安心させるように優しく微笑み、
「叶多様は明日の朝方まで帰ってきませんよ」
と答えてくれた。
「それより、お粥を作ってきたのですが、食べれますか?」
と聞いてくる。
そう言えば、ずっと食べていなかった。
「はい、頂きます」
と言うと蓮は
「では失礼します」
と折りたたみ式の机を出してきて、その上にお盆をのせる。
「ちょっと待ってください。」
蓮はこちらにやって来て鎖を取ってくれる。
その行為に少し驚いていると蓮は
「どうぞ」
と机へ促す。
「は、はい」
ゆっくりと机の前に座って、スプーンを取る。
そっとお粥をすくい、口に運ぶ。
「お、美味しい…」
「お口に合って良かったです。」
優しく微笑み、僕を見ている蓮。
でも、その顔は少し濁っていて。
悲しそうで。
蓮さんまで、なんでそんな顔をするの…?
ーーー作者よりーーー
この度はご迷惑をおかけいたしました(苦笑)
これから更新頑張っていきたいと思います!
これからも、狂乱愛物語を宜しくお願いしますm(__)m
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
87 / 123